「ポケモンゴー殺人事件」(2016年08月19日) 南カリマンタン州タナラウッ県タンバンウラン郡で高校生が小学生を殺害する事件が発生 した。小学校5年生の男児イタブ11歳が、16年7月24日に村のムソラで行われた夕 方の礼拝集会に行ったまま帰宅しない。イタブの家とムソラはおよそ百メートルくらいし か離れていないのだ。そしてその日20時ごろ、イタブの姉ユスリナ21歳のスマートフ ォンにイタブから通信文が入った。「三人に誘拐され、バンジャルマシンの方角に運ばれ てる。助けて!」 家族はすぐに警察に届け出た。州警察・県警察・郡警察の合同チームが捜査を開始する。 イタブの友人たちにも同じ文面のSMSがイタブのスマートフォンから届いていたことを 知った警察は、電話オペレータに協力を求めてイタブのスマートフォンの所在を追跡した。 イタブのスマートフォンはタンバンウラン郡グヌンラジャ村にある。捜索の輪を詰めてい った警察は、そのスマートフォンを持っていたJHを8月9日23時10分に逮捕した。 JHは18歳の高校12年生だ。警察の取調べにJHは素直に自供した。イタブは自分が 殺したのだ、と。 7月24日、礼拝集会が終わると、JHはポケモンゴーを一緒に遊ぼうと言ってイタブを 誘い、ムソラから百メートルほど離れた空き地に連れて行った。前もってそこに隠してお いた除草剤入りの飲み物を取り出して、JHはイタブに勧めた。5分もしないうちにイタ ブは激しく嘔吐し、そして気を失って倒れた。それを見たJHはすぐに自宅へ戻って鍬を 取って来た。 イタブは地面に横たわっていたが、まだ絶命していない。JHは鍬の柄でイタブの頭を殴 り、息の根を止めた。そして死体を大袋に入れると、適当な場所に穴を掘り、袋ごと死体 を埋めて土をかぶせ、わからないようにしてからその場を去った。イタブがまだ生きてい るかのように偽装しようと考えて、JHは20時ごろ、イタブのスマートフォンに入って いるいくつかの電話番号にSMSを送った。 JHはそれからも普段と同じ暮らしを続け、毎日学校へ行通い、イタブの失踪にかれが関 わっているという疑惑を誰にも抱かせなかった。イタブ殺害の動機についてJHは、イタ ブのスマートフォンにポケモンゴーのアプリが完璧に入っているため、それが欲しくてイ タブを殺した、と述べている。