「プレミウムガソリンは先細り(後)」(2016年09月27日)

北スマトラ州メダンでも同じ現象が起こっている。市内のガソリンスタンドのひとつはプ
レミウム給油ディスペンサーを6本使っていたが、今や2本まで減らされて4本は補助金
なしガソリン給油用にあてられている。そのガソリンスタンドでは、プレミウムとプルタ
ライトの販売量が二日で1万6千klと拮抗しているそうだ。

南スラウェシ州マカッサルでも、プレミウムを販売しているガソリンスタンドはあまり見
かけない。たまに見かけると、決まって購入者が長蛇の列をなしている。プルタミナ社第
7地区販売オペレーション広報課長は、2016年のプレミウム販売クオータは前年から
増やしてあり、供給不足が起こるような状況になっていない、と述べている。

西ジャワ州でもバンドン〜スムダン地区の45軒のガソリンスタンドがプレミウムの取り
扱いをやめることを合議した。プレミウムをやめてすべてのディスペンサーで補助金なし
のガソリンと軽油を販売することを合意したそうだ。


しかし市場現場では、おかしな話が飛び交っている。スマラン市内のガソリンスタンドで
プレミウムを買おうとした消費者のひとりは、プレミウムは売り切れたので「プルタライ
トを買え」だの「プルタマックスを買え」だのとスタンド従業員に強制され、従業員はプ
レミウムの枠が減らされたからだと説明したそうだ。

そのような巷からの苦情に埋もれたスマラン消費者保護育成機関がプルタミナに対して、
プレミウムの供給量を確保せよとクレームしたのも当然だ。それに対する反論が冒頭のも
のであり、プルタミナはガソリンスタンドに対して何の強制をも行っていないという説明
だった。普段はハードな手段を辞さないインドネシアの実業界だから、このスマートな方
法を見る限り、プルタミナは国際レベルの知的販売戦略を行える企業になっているという
ことだろう。

ところで、巷を騒がせたプレミウム出荷量の操作という濡れ衣は、ガソリンスタンド従業
員の消費者を誘導するための出まかせ口実であったことが明らかだ。類似の嘘は、いたる
ところにいるセールスマンやセールスガールが自分の売りたい物を買わせようとして口か
ら出まかせのことを言う例が枚挙にいとまないので、このインドネシア文化にもわれわれ
は心するべきだろう。[ 完 ]