「ロンボッ島マタラムで市バス運行」(2016年12月08日)

中央政府は2016年から2018年までの3年間に、地方都市の公共運送充実と道路混
雑改善を目的にして、1,050台のバスを地方政府に寄贈する計画を立てている。今回
そのうちの25台を西ヌサトゥンガラ州政府とロンボッ島のマタラム市に割当てた。

州庁とマタラム市は市内および市郊外の公共運送機関が通っていない地区を重点的に結ぶ
四つのルートを設けて2016年11月21日から運行を開始した。ルートは市内中心部
と市の辺縁部にあたる北バイパス・南バイパスをカバーした上、スンギギ地区まで乗り入
れる計画になっている。

しかしこのバスラピッドトランジット事業はマタラム市民の交通の便と公共運送機関利用
を高めることを目的にするものであり、住民の通勤通学のための利用を主眼に置くもので
あって、観光客に便宜をはかるためのものではない。その方針に従って、政府や民間のオ
フィス地区、産業地区、商業地区、学校、住宅地区などを通過することがルート設定のメ
インに置かれ、運行時間も午前6時〜8時、と13時〜15時という通学時間帯や通勤時
間帯に重点が置かれている。

バスは乗客収容人数70人で、身障者や妊婦用の座席も用意され、完全空調でたいへん乗
り心地が良いため、自家用車族はどしどしバス通勤通学に替わるよう期待しているとマタ
ラム市交通局長は希望を述べている。

料金は乗車時に均一4千ルピアを支払うようになっており、距離制は採られていない。市
庁はひとりあたりの運送コストを12,500ルピアと想定しており、差額は補助金で埋
める計画になっている。学校生徒は無料にしたい意向だが、この問題は運行実績を積みな
がら実態を把握した上で決定されることになりそう。

ただし、市内の運行は小型乗合バス(アンコッ)とバッティングする部分があり、新たな
問題の火種になることも懸念されている。