「ボロブドゥル寺院壁画の楽器を復元」(2017年01月06日)

チャンディボロブドゥルの壁画に刻み込まれた帆船の絵にもとづいて船を復元し、外洋に
乘り出すチャレンジは既に行われたが、今度は壁画にある楽器の復元がトライされた。

カルマウィバンガの壁画に見られる楽器は23種あり、そのうち三種類の撥弦楽器を歌手
のトリ・ウタミさん、音楽家デワ・ブジャナさん、そしてジャリガンカンプンヌサンタラ
に所属する仲間たちが復元した。もちろん資料にはチャンディの壁画だけでなく、さまざ
まな文献も用いられ、弦楽器のガソラ(gasola)、ソラワ(solawa)、ガソナ(gasona)と呼ば
れる三種の復元が成功した。

ボロブドゥル保存館所有の壁画写真には弦楽器や太鼓、笛などの楽器の姿が詳しく写って
いる。楽器復元グループは160枚の写真をボロブドゥル保存館から借り受け、16年1
0月に制作トライアルを開始した。

トリ・ウタミさんはそれについて、「ボロブドゥル保存館からビジュアル資料を協力して
もらい、形を復元してみました。音に関する資料は皆無なので・・・」と一千数百年前の
音が再現できたのかどうかについてはよくわからない、と説明している。

三種の弦楽器は16年12月に中部ジャワ州マグラン県チャンディボロブドゥル観光園コ
ンプレックス内のルンビニ広場で開催されたボロブドゥルカルチャラルフェストでの一連
のプログラムで使われた。

楽器の制作に協力した東ジャワ州シトゥボンド在住の芸術家は、音の復元は壁画にある演
奏者の姿から感じ取れるものを基準に置いたと語っている。楽器が発する音は演奏者が形
作るものだという考え方がかれの方針の基盤に置かれているようだ。

ジャリガンカンプンヌサンタラ世話役のひとりは、チャンディボロブドゥルの壁画にある
他の楽器も復元していく計画だと今後の予定を明らかにしている。