「少女は自宅で昼寝もできない」(2017年01月10日)

南ジャカルタ市プサングラハン地区にある自宅の居間で白昼にテレビを見ながら寝込んで
しまった13歳の少女ノニは、自分のはいているパンティが引き下ろされるのを夢うつつ
に感じた。そして何者かの手が自分の秘所をまさぐるのに驚いて目覚めた。

ノニが見たのは、自分の寝ているソファに寄り添って座り、ノニの下半身を弄んでいるま
だ若い男の姿だ。ノニは叫び声をあげ、男の手から逃れようともがいた。すると男はノニ
の顔に二度平手打ちを浴びせたのだ。


そのとき、近所に出ていたノニの母がその叫び声を聞きつけ、娘がどうしたのだろうかと
不審を抱いて家に戻って来た。家人が戻って来たのに気付いたその若い男はすぐにその場
から逃げ出して、表に置いてあったオートバイに乗って姿を消した。

ノニの両親はその日の夜、南ジャカルタ市警プサングラハン署に被害届を出した。警察の
捜査が始まり、その翌日に犯人が逮捕された。犯人は南ジャカルタ市内にあるモールで働
いている23歳の男で、警察の取調べに次のように自供した。


ノニのケースでは、犯行の一週間ほど前から中学生のノニをターゲットに据え、わいせつ
行為を行うチャンスを狙っていた。この男の嗜好によれば、少女を拉致誘拐して自分のセ
ックス奴隷にしようということでなく、少女の自宅でわいせつ行為を行うのが犯行のスタ
イルだったようだ。

ノニのケース以前にも、南ジャカルタ市タナクシルをはじめ四か所で四人の中学生少女に
同じ犯行を行っていたことを男は自供している。いずれのケースでも、男は目を付けた少
女の自宅に入り込む努力をしており、その家の様子や状態を見ながらあの手この手を使っ
ていたそうだ。トイレを借りる、仮病を使って薬や介抱を求める、あるいはその家のテラ
スでじっと機会を待つといった手法がそれだ。

ノニ以前にその男の毒牙にかかった少女たちはだれも警察に被害を訴えておらず、被害者
少女が家族にさえ打ち明けないで恥を免れようとしているのか、あるいは家族が世間に対
して家庭の恥をさらさないようにしているのか、いずれにせよ、犯人が犯行を続けること
を放置する結果になっていた。

インドネシア社会での女性の性犯罪被害は常に偏見がつきまとうものであることから、性
犯罪者の跳梁しやすい環境が形成されていると言えよう。警察は犯人の精神鑑定をあわせ
て行う予定にしている。