「通学は自家用車で」(2017年01月25日)

都市部にある学校の生徒たちの通学は、子供が幼いほど親や他のおとなが送って行くのが
普通で、大きくなるにつれて自分ひとりで行くようになるのだが、上級の学校になるほど
学区が広くなるため、おのずと距離も遠くなっていく。こうして少年少女の無免許オート
バイ通学が行われる土壌が形成されるというわけだ。何十年も昔は公共運送機関や自転車
が使われていたのだが、経済的にオートバイを持つことが容易になると、法規よりも便利
さを優先するというインドネシア民族の基本精神がここにも出現する。

コンパス紙R&Dが2016年11月2〜4日に全国14都市住民552人に対して行っ
たアンケート調査で、通学の足が自家用車(自転車・オートバイ・四輪車)であるひとは
60.1%を占めた。公共交通機関(バス・列車・オジェッ)利用者は22.0%、徒歩
は17.9%いた。徒歩通学をする子供は家が学校に近いのが理由であり、村落部のよう
に何キロもの道のりを村の全員が歩いていく、というような状況とはまったく異なる。

2014年中央統計庁データによれば、小学校が地区内に設けられていない村や町は全国
に10,985(全体の13.4%)あり、中学校が地域内に設けられていない郡は27
5(全体の3.9%)ある。ここで言う小学校・中学校というのはイスラム学校マドラサ
や教育制度の中で同等と認められるものも含んでいる。

全国の通学距離平均値は、2015年の統計によると次のようになっている。
小学校 都市部 1.42km 村落部 1.26km 全国 1.34km
中学校 都市部 2.89km 村落部 3.20km 全国 3.06km
高校  都市部 4.24km 村落部 5.49km 全国 4.82km
大学  都市部 9.25km 村落部 20.9km 全国 11.7km

都市部で使われている通学の足について、なぜそれを使っているのかという質問への回答
は次のようになった。

<自家用車>
速い・実用的 58.3%
安全 18.9%
廉価 20.1%
近い 1.5%
他にない 0.6%
子供の希望・自立を促す 0.6%

<公共交通機関>
安全 31.1%
廉価 26.2%
速い・実用的 23.8%
他にない 13.9%
子供の希望・自立のため 2.5%
近い 1.6%

<徒歩>
近い 50.5%
安全 15.5%
速い・実用的 13.4%
廉価 13.4%
健康 4.1%