「アンケ市場はフルーツ市場」(2017年02月01日)

西ジャカルタ市ジュンバタンリマのアンケ市場(Pasar Angke)は果実市場だ。市場を埋め
ている多数の売場には、種々のバナナ、パパヤ、スイカ、バンコアン、メロン、パイナッ
プル、マンゴ、サラッ、アボガド、ランブタン、ドラゴンフルーツなどが季節次第で色と
りどり。インドネシア原産の果実がメインを占めている。

国鉄コミュータラインのアンケ駅につながるスタシウンアンケ通りからタンボラ郡ジュン
バタンリマ町の小路一帯に並ぶ売場は、小売から卸まで、すべての需要を受けてくれる。
アンケ市場にはジャワやスマトラから果実がトラックで運ばれてくる。荷物の積み下ろし
で市場周辺の道路はいつも混雑している。そんな中を購買客が果実の詰め込まれた木箱を
いくつかバジャイやベチャに積んで市場から去って行く。

一軒の売場では、到着したばかりのパパヤがもう山積みだ。中部ジャワ州クブメンから送
られてきたパパヤはフレッシュこの上なし。パパヤはシーズンがないとはいえ、産地で品
薄になることもある。クブメンで品薄になれば、ランプンから取り寄せる、と店主は語る。
25年間アンケ市場を生計の場にしてきたその店主は、最初荷担ぎ人足としてこの道に入
った、と物語る。資金を溜めて売場の権利を買い、店主になった。今やかれは売場を四軒
持っている。かれは都内各地のパサルにパパヤを供給している。タナアバン市場、スルダ
ン市場、スンテル市場、トゥルッゴン市場、クマンギサン市場、パルメラ市場、カランア
ニャル市場、チュンカレン市場、タンジュンプリオッ市場などへの卸はここから出ている。
また果実専門店や都内の大型ホテル・レストランも顧客になっている。


昔は、東ジャカルタ市クラマッジャティ市場に次ぐ、都内第二の果実市場だったこともあ
る。市場建物は2007年に鉄道駅に接して二階建てのビルに建て直され、果実以外の日
用必需品や衣料品あるいは黄金装身具店などと混じり合って商売しているが、果実のウエ
イトは依然として大きい。

アンケ駅に隣接していることで、ボゴールやバンテンなど遠距離の購買客にも便宜が高く、
おまけにジャカルタコタ駅まで2.5キロで、旧バタヴィア市街にも近く、マーケットは
豊かだと言える。売場一軒で一日に5〜7百万ルピアの売上をあげるところもある。

他の市場にアンケ市場から果実が卸されているのだから、価格が廉いのは言うまでもない。
もちろん小売りと卸しという量的な面に関わる価格差は存在するため、小売り客が低価格
をエンジョイするためには傾向と対策が不可欠だろう。