「スラバヤのコミュータ鉄道増便計画」(2017年02月23日)

東ジャワ州スラバヤ市はラモガン、グルシッ、モジョクルト、シドアルジョ、バンカラン
などの周辺地域が工業地帯になったことから、それらの周辺地域とスラバヤを毎日1百万
人以上の人口が往復している。ところがジャカルタと違って、スラバヤのコミュータ鉄道
はたいそう貧弱だ。

市内パサルトゥリ(Pasar Turi)駅とラモガン(Lamongan)駅、市内グブン(Gubeng)駅とポロ
ン(Porong)駅を結んで走るエコノミー列車は運行便数が少なく、2016年の輸送実績は
一日当たり1,470人しかなかった。何しろグブン〜ポロン間は朝一便、夕方一便、夜
一便の一日三便しか走っていない。

一方で、道路上を走る車両の数は年々増加の一途であり、各所で激しい交通渋滞が繰り返
されている。スラバヤ一円で自動車専用道網が拡充を示ししているのがそれへの対策であ
るのは明白だ。

スラバヤ市庁と国有鉄道会社は自家用車やバスなどの道路交通機関利用者の中に便数が増
えれば鉄道を利用したいという声が多いことに着目し、今後運行便数を増やすことで合意
した。いつからどのように増えて行くのかについては今後の発表を待つというところ。


ところで、スラバヤ市内でも雨季になると洪水が起こって床上浸水の被害を受ける家が増
えており、市行政が市民の平穏な生活を守れないのだから自力救済せざるを得ないではな
いか、とばかり一般市民の中に自宅の床を高くする動きが広がっている。住宅建設業者も、
床を高くすれば商品競争力が付くのであれば、それを無視する手はないというわけだ。

その結果、出水頻発地区では各家がまちまちに床を高くしたため、道路から不揃いに50
〜90センチも高まってしまい、見た目にたいへん奇妙な印象を与えている。

実は市当局もこの現象を見たときに「しまった」と思ったようだ。建物建築許可の中に道
路からの床の高さを定めている条項がないのである。市は出水対策として市内の排水シス
テムの総合的整備を実施中であり、整備事業が完了すればもう浸水の被害を受ける家はな
くなるから、路面から異常に床が高い家は周囲の環境に対して種々の不都合を起こすこと
になるため再び対応をとらなければならなくなるので、この時期に床を高くすることはや
めるように、と市民に呼び掛けた。

その一方で、道路からの床の高さの限界を定める検討を市は開始した。排水システム整備
事業が完了して道路の高さが確定したとき、路面と家屋の床の高さの許容範囲が決まる。
そのとき、建築許可条件として新たに定められた床の高さの上限を超えている家に対して
は、床を低くするよう命令が出されることになる。

床の高さ条件は既存の家屋にも適用されることになるから、条件未定の時期に高く作った
家屋も無事では済まなくなる。中には2010年と2015年に二回も床をかさ上げした
家があり、床を低める命令を受けたら踏んだり蹴ったりということになりそう。