「バリ島キンタマニで不法徴収金」(2017年02月24日)

バリ島キンタマニ観光地区で入場料金収受業務を不正に行っていた地元民が警察に逮捕さ
れた。逮捕されたのは47歳三人と46歳ひとりの四人で、二ヵ所の入場券販売ブースで
業務に就き、国内外の観光客から正規の料金を超える金額を徴収し、領収書代わりの半券
を渡さなかったり、あるいは故意に間違って渡してダブル徴収するといった悪事を行って
いた。また業務中の正規ガイドは入場料金支払いが免除されているにも関わらず支払いを
強制し、ガイドたちも地元民との軋轢を怖れて言いなりになっている面が見られた。警察
は逮捕時に入場券販売ブースで不法に徴収された現金3千万ルピアを押収している。

正規の入場料金は外国人の大人3.1万ルピア、小人2.5万ルピア、インドネシア人の
大人1.6万ルピア、小人1.0万ルピアとなっている。


インドネシアではこの種の定められた公定料金を超える金額を徴収する行為をプンリ
(pungli = pungutan liar 不法徴収金)と呼び、腐敗行為のひとつに区分している。現政
権はコルプシ撲滅の一環としてプンリ撲滅キャンペーンを張り、全国の地方行政と警察お
よびその他の関連行政機関が現場でプンリ撲滅チームを編成して摘発と検挙に努めている。
キンタマニの事件もバリ州警察のプンリ撲滅チームが挙げた業績のひとつ。


類似の事件はバンテン州タングラン市でも起こった。タングラン市の行政機関が集中して
いる行政地区で駐車番がプンリを行い、1日100万ルピア超の稼ぎをあげていたが、つ
いに市警プンリ撲滅チームに「御用」となった。

その28歳の駐車番は四輪車の駐車料金を5千ルピアと記載したチケットを用意していな
がら、実際には1万5千ルピアを運転者に強要するのが普通で、しかも長時間駐車すると
5万から10万ルピアを支払わせていた。

本人の供述によれば、かれは3ヵ月前に故郷から上京してこの仕事に就き、得た収入は自
分の日常生活の資金にしていたとのこと。

このプンリ駐車番が「御用」となったのは、ある一般市民との諍いに端を発する。その市
民は数人の仲間と一緒に行政地区のカフェにやってきて駐車した。すると駐車番が5千ル
ピアのチケットを渡しながら1万5千ルピアを払うよう要求した。要求が過剰だと感じた
市民が拒否したところ、駐車番が拳を握りしめて威嚇した。市民は既に車から出ていた仲
間たちを呼び集めて対抗する。押し問答の挙句、結局1万ルピアで手が打たれた。

駐車場というオープンスペースの片隅であっても、この種の異常な状況には常に誰かの目
が光っているのがインドネシアだ。誰が通報したのかわからないが、タングラン市警のプ
ンリ撲滅チームがやってくると、その駐車番を取り調べて駐車番が持っていたチケットと
現金52万6千ルピアを押収した。警察はこの駐車番の取調べを続けている。