「バンドンで爆弾テロ事件(2)」(2017年03月07日)

9時ごろ、州警察機動旅団と爆発物処理班グガナチームが町役場に到着し、市民や生徒た
ちに替わって男を包囲する部隊と、町役場周辺を固めて一般市民の安全確保に当たる部隊、
そして爆発現場の検証処理に当たるチームに分散した。


10時ごろ、一帯の状況確保が確認されると、警察は男に自首するよう話しかける。しか
し男はそれに応じようとせず、部屋に放火した。およそ30分後に消防車が到着して消火
作業を始める。20分後に火は消し止められた。

警察が男の逮捕にかかったとき、男はピストルを出して乱射した。機動旅団も応戦し、男
は銃弾を受けて倒れる。戦闘意欲が無くなっていることを確認してから、警察を男を逮捕
した。しかし右胸の肋骨部を撃たれて男は重態に陥っていた。警察はすぐ最寄りのサルテ
ィカアシ病院に男を搬送した。時間は正午を過ぎていた。

12時半、警察は記者発表を行い、テロ犯人であるヤヤッ・チャフディヤッ41歳は病院
への搬送途上で死亡したことを明らかにした。


ヤヤッは元々チカンペッグループに所属して2010年に行われたアチェでのテロリスト
戦闘訓練に関わったことから逮捕され、2013年に3年間の入獄判決を受けて服役し、
2015年に刑期を終えて出獄した前科者テロリストだ。

出獄後かれはプルワカルタに戻り、バンドンのテロリスト細胞ジャマアアンサルダウラに
加わった。かれがプンダワ公園で起こした爆弾事件は、ジャマアアンサルダウラが依然と
して健在であることを世間に示すのが目的だったようだ、と国家警察長官はコメントして
いる。サウジアラビア国王のインドネシア訪問の直前というのも、世界に対するアピール
という意図があったことを伺わせている。


ヤヤッは町役場に逃げ込んだあと、デンスス88が拘留しているテロリストを釈放するよ
う警察に要求したことで、警察はかれの身元を割り出した。

西ジャワ州は宗教不寛容性の高い地域だ。テロリズムオブザーバーのアル・ハイダル氏は、
ジャマアアンサルダウラがISISのバフルン・ナイムの指揮下にあるインドネシアセル
であることから、ヤヤッが今回起こした爆弾事件はISIS指揮下の他のテロリストセル
に対して決起を呼びかけたものではないかとの見方を採る。

ハイダル氏によれば、2014年から16年までの間にテロリストの活動センターとなっ
た土地が12ヵ所あり、そのうちの4つが西ジャワ州にあるとのこと。ブカシ、チレボン、
マジャレンカ、クニガンが西ジャワ州の四つだ。他にはバンテン州タングラン、北スマト
ラ州・ブンクル州・ランプン州・ジャンビ州、そして中部ジャワ州マグラン、チラチャッ
プ、ソロとなっている。[ 続く ]