「爆弾ジョークの好きな飛行機乗客」(2017年03月15日) 17年3月3日のマカッサル午前6時20分発ジャカルタ行きGA611便乗客が冗談で 爆弾云々の言葉を口にしたため逮捕されて油を絞られたばかりの3月8日、今度はバリ島 グラライ空港で18時発ジャカルタ行きライオンエアーJT015便の乗客が、離陸直前 に爆弾ジョークを口にしたことから機は出発をとりやめてターミナルビルに戻った。 マカッサルで不謹慎な冗談を言ったのは博士号を持つ51歳のマカッサル大学教官だった が、グラライ空港で爆弾ジョークを述べたのはサウジアラビア人。 5人のグループでJT015便に乗り込んだその男性は仲間に対して英語で「この機はテ イクオフ後に爆発するぞ。」と冗談を述べた。ところがその言葉を聞いたフィリピン人乗 客がキャビンクルーにその言葉を伝えたため、機内がパニックに陥った。エプロンに戻る との機長判断で管制塔とやりとりし、許可されて乗客および機内の再チェックが行われた。 とんだ事態に発展したためにその男性は顔色を変え、ジョークだったと口を酸っぱくして クルーに説明したが、覆水盆に返らずの言葉通りになった。一度口から出た言葉は、それ が事実として固定されてしまうのが文明化した社会の原理になっている。 この事件でグラライ空港はほぼ1時間閉鎖され、国内線7便と国際線4便に遅延が発生し た。 折しもサウジアラビア国王と王子15人および閣僚たちが一緒にバリ島で休暇を楽しんで いる最中であったが、その男の爆弾ジョークはそれを意識してのものでなかったようだ。 サルマン国王は親族や使用人たちとヌサドゥアのセントレジスホテルを借り切って宿泊し、 他の側近たちもヌサドゥアITDC内の3つの高級ホテルに分宿し、6日間のホリデーを 愉しみはじめた直後、ホリデーを更に3日間延長するというオーダーが飛んだ。 何しろ一行は総勢1千5百人で、バリ島到着時は7機の飛行機に分乗してやってきたため、 グラライ空港はこのVVIP一行の受け入れのために45分間閉鎖された。その際、国内 線国際線の一般商業フライト42便が発着スケジュールの変更を余儀なくされている。 サルマン国王は12日午前10時に日本に向けて出発した。その際も45分間グラライ空 港は閉鎖され、定期便の発着は十数便に影響が出たとのこと。 ただし出発は7機が一斉にということでなく、先に出発した機もあれば、一日遅れで出発 する機もあり、到着時の大影響はかなり分散された模様。