「最近の学校教育は・・・」(2017年03月23日)

2016年10月24日付けコンパス紙への投書"Pendidikan Kita"から
拝啓、編集部殿。去る4月7日にわたしはバリ州タバナンを訪れました。航空会社の機内
誌を高校修業国家試験を終えたばかりの女生徒へのみやげにしました。

航空会社の航路を示す曲線がたくさん描かれている東南アジアの地図を一緒に開き、カリ
マンタン島を指差して「この島は何?」と尋ねたところ、その乙女はただ微笑んで首を振
るばかりです。スマトラ、ジャワ、パプア、バリまで尋ねてみましたが反応は同じで、結
局「わたし、地理は嫌いなの。」というのがかの女の回答になりました。


中部ジャワ州クラテンの小さい村にあるわたしの生家に戻ったわたしは、4月10日に同
じことをしてみました。国立高校2年生になっている兄弟の孫娘に機内誌を見せて、カリ
マンタン島を指差したところ、しばらく考えてからカリマンタン島という名前を口にしま
した。

その孫娘の同級生ふたりが宿題を一緒にするためにやってきたので、わたしはまた機内誌
の地図をふたりに示しました。ふたりは微笑むばかりで、言葉は何も聞けませんでした。

わたしはかれらに尋ねました。「卒業したら、大学はどこへ行く?」
またまたかれらは微笑んで首を振り、「まだわかりません。」と言います。
わたしはたたみかけました。「UNSか、それともUGM?」
ふたたび首が横に振られます。

「UGMって、何の略語か知ってる?」三人はただ顔を見合わせるばかりです。
わたしは諦めました。「ガジャマダ大学だよ。」

かれらの様子を見ていて、わたしは可哀想になってきました。わたしがまだ6歳だった1
956年ごろには、わたしは小学校へ行っている兄姉たちの勉強に付いてインドネシアの
島々や主な町などの地名を覚え込んだものです。北マルク州にあるジャイロロという地名
をはじめて耳にしたときの新鮮な感動は、今でも記憶しています。

三人の娘たちは宿題をしながら、ときどきスマホを取り出して着信をチェックしていまし
た。わたしはいまだに音声とSMSしかできない小さな携帯電話機しか使っていないとい
うのに。[ 南ジャカルタ市在住、スゲン・ハルトノ ]