「乞食シンジケートが全国展開?」(2017年03月24日)

これまで物乞いの姿が見られず、中央政府からも住民の勤労意欲が高いとの評価を受けて
いたマナド市に、物乞いが出没するようになった。地元の貧困者や身障者たちはこれまで、
ただ物乞いするのは恥ずかしいことだと考えて、揚げピーナツなどの物売りをして金銭を
得ていたことから、地元の社会ビヘイビアをこれまで統御していた思想がどうして変化し
たのかに為政者が関心を持つのは当然だろう。こうして市庁社会局が物乞いの補導作戦を
展開することになった。

市民からの情報を元に、市内数ヵ所の店舗地区で三人の物乞いが捕まった。物乞いはもっ
といるものと見られており、捕まったのはその一部。その三人に対する取調べが行われ、
三人は中部ジャワ州チラチャップの住民であることが判明した。おまけに、その三人は自
発意志でスラウェシ島北端の町へやってきたのでなく、ジャカルタに本拠を置く乞食手配
者シンジケートのアレンジでマナド市にやってきており、かれら以外にもパル・マカッサ
ル・ゴロンタロに同じ目的で派遣された者がいることも明らかになった。

マナド市庁社会局長によれば、ジャカルタから送りこまれて来た物乞いは20から30人
いるとのこと。マナド市は捕らえた三人をジャカルタへ強制送還することにし、飛行機代
はかれらがマナド市で稼いだ金で支払わせた。噂では、かれらが稼いだ金は飛行機代を支
払っても、まだまだ余裕があったそうだ。


首都圏では、乞食手配者シンジケートは昔から暗躍しており、街中にいる物乞いはシンジ
ケートが資金を集めるための道具であるという理解が既に常識化している。都庁は物乞い
に施しを与えることを都民に禁止し、違反者には罰金を科すという方針が数年前から開始
された。

今回判明した首都圏基盤の乞食手配者シンジケートがスラウェシ島に業容拡大を進めてい
る事実から、首都圏ビジネスが頭打ちとなった結果ビジネスの全国展開へと向かっている
可能性が強く感じられている。

一般市民の善意の目をくらまして物乞い者が得た金銭を搾取する乞食手配者シンジケート
の悪辣さは、インドネシア人の人間観からは許すべからざる悪行であるにちがいない。だ
が法執行者の手は、まだまだかれらから遠いところでこまねかれているように見える。