「東ジャワ州のホテル業界は投売り合戦」(2017年04月07日)

東ジャワ州はホテルの数が過剰になっており、客室稼働がいつも50%を割っている。中
央統計庁東ジャワ州支部の統計によれば、ホテル数は2,234軒あるが星級ホテルはわ
ずか6.6%しかない。客室稼働状況は悪く、過去二年間48%前後が続いている。集客
競争がきわめて激しいために、宿泊料金は落ちに落ちていて、その結果古いホテルは価格
競争に巻き込まれた上、新しいホテルとの不利な競争で二進も三進もいかない状況だ、と
ホテルレストラン会東ジャワ州支部長は述べている。同じ低レベルの料金なら、客が設備
の優れた新築ホテルを選択する傾向を持つのは当然だからだ。

ホテル予約オンラインサイトのひとつを見ると、ジュンブル市内のホテルの中には一泊1
6,764ルピアという料金のものが見られるし、スラバヤのバジェットホテル中でもっ
とも廉いものは一泊127,600ルピアという料金がついていた。ホテル業界はこの状
況を改善させるために、観光客の増加をはかること、新規ホテル建設を当面凍結させるこ
となどを政府に求めている。

州内最大の需要を持つスラバヤには150軒ほどのホテルがある。その中で三星級ホテル
が半分以上を占めており、客室供給総数は1万5千室にのぼっている。スラバヤ市内自身
にはたいした観光資源がなく、また周辺工業地区にもホテル産業が発展していないため、
スラバヤは東ジャワ州の観光地区や工業地帯を訪れる旅行者のための宿泊基地になってい
るありさまのようだ。


一方、観光政策の成果が旭日の勢いを示しているバニュワギ県は状況が少し違う。アブド
ゥラ・アズワル・アナス県令は県下の観光客宿泊施設に関して、バジェットホテル建設に
は許可を与えず、反対に地元民に対してホームステイビジネスを活発にプロモートしてい
る。四星五星級ホテルの建設は許可するものの、建設工事のために樹木を切り倒したり、
自然を破壊することは一切禁止している。

観光客誘致と地元民のための経済活性化、そして自然を維持することによる天災の軽減と
住民の被害の極小化という命題を、バニュワギ県は慎重に進めているようだ。