「ラブアンバジョ三泊四日の旅(前)」(2017年04月17日)

コモド空港はコモド島にない。コモド空港は東ヌサトゥンガラ州西マンガライ県ラブアン
バジョ(Labuan Bajo)にある。ジャカルタからおよそ2千キロ離れたコモド空港へ、ガルー
ダ航空が直行便を飛ばしている。2016年10月の最後の週に、コンパス紙記者が三泊
四日の旅を果たした。これがその旅行記だ。

[水曜日14時]
中央統計庁データでは、ラブアンバジョにあるホテルは60軒で客室総数は1,540と
なっているが、部屋を確保するのは容易でない。ましてや海を背にして建つホテルとなる
と、空室が常に用意されているわけでは決してない。
しかし記者は運よく、海を背にするホテルの部屋をゲットできた。ただし、その夜の一泊
だけ。翌日は満室になっているそうだ。
空港から離れたホテルはたいてい空港への送迎を用意している。近いホテルなら、徒歩で
お越しを、ということになりそう。

[15時]
ラブアンバジョの繁華街は港に近いスカルノハッタ通り。ツアーガイドサービス、船のチ
ャーター、ダイビングやシュノーケリングの器具レンタル屋がヨーロッパ風カフェと一緒
になって並んでいる。
夜中までオープンしているカフェは、実はカフェタリアであり、スパゲティやパスタ類の
食事を提供してくれる。インドネシアでは昔から、カフェタリアのことをカフェと呼んで
いた。
食事をし、コーヒーを愉しみ、夕暮れから夜に移る時の流れを満喫してから、ホテルに戻
る。

[木曜日8時]
いよいよコモドドラゴンの住む周辺の島々へ行くため、船をチャーターする。一日のチャ
ーター料金8百万ルピアで、2か月前からこの商売を始めた東ジャワ州ジュンブル出身の
船長の船に乗る。「ここではバリ島の二倍稼げる」と船長は言う。
一週間のうちで出航はだいたい5回あるそうだ。記者たちはまずパダル島(Pulau Padar)
に上陸した。パダル島はコモド島とリンチャ島にはさまれた小島で、面積2千Ha、高さ
5百メートルの山がある。その山頂からコモドドラゴンの住む隣の島々と海を眺めるのは
絶景だ。この緑の少ない無人島にも、コモドドラゴンが何頭か棲息している。ラブアンバ
ジョのひとびとはこの島をリトッ(Li Tok)と呼ぶ。「リ」は「静かな」「寂しい」といっ
た意味、トッは鳥が木をくちばしでコツコツ叩く音のこと。

[12時]
パダル島からやはり無人島のナモン島(Pulau Namong)へは海路30分の距離。ナモン島の
ピンクビーチは一見の価値ある風景だ。続いてナモン島のすぐそばにあるコモド島へ。
現地でロッリアン(Loh Liang)と呼ばれるコモド島も緑が薄い。立木には葉がなく、そし
てカラスが至る所にいる。この島にはおよそ1千7百人の島民が住んでおり、コモドドラ
ゴンと共存している。コモドドラゴンの唾液には毒性があり、咬まれると生命に危険が及
ぶ。一年に何回か島民がドラゴンに咬まれる事故が発生するが、人間の生活を優先して野
獣を排除しようとする姿勢はまったくこの島にない。[ 続く ]