「テロリスト6人を射殺」(2017年04月17日)

国家警察デンスス88はフィリピンのアブサヤフグループ(東南アジアISIS)からイ
ンドネシアのテロ組織が購入した銃火器の動きを追跡する中で東ジャワ州ラモガンのブロ
ンドン警察署襲撃計画を探知し、実行予定日の前日である17年4月7日朝、容疑者3人
を逮捕した。そして、そのうちのひとりがジャマアアンサルッダウラ(JAD)のリーダ
ーであるザエナル・アンソリ43歳であることが判明したのである。ザエナルはその朝9
時半ごろ、ラモガン県パチランの中学校前をオートバイで通過中に逮捕されている。

逮捕されたもうふたりの男は20歳と37歳のザエナルの手下で、かれらはスラバヤのタ
ンジュンぺラッ港にフィリピンから密輸入する銃火器の抜け道を設けるべく行動していた。
そのひとりは漁業をなりわいにする漁師であり、テロ組織のリクルートが多岐にわたって
いることを示している。


ザエナルは元々イスラム守護戦線(FPI)の活動家で、2013年8月に起ったFPI
とパチラン住民間の衝突で暴力を振るったため、有罪判決を受けて服役した経歴を持って
いる。ザエナルがジャマアアンサルッダウラのリーダーになったのは、その組織の設立者
であるアマン・アブドゥラフマンが逮捕されて入獄したことから、アマンがザエナルを当
面のリーダーに指名したという経緯がある。

アマン・アブドゥラフマンはダエシュに忠誠を誓い、ダエシュのインドネシアにおける活
動拠点となることを意図して種々のテロ活動を行ってきており、2016年1月に発生し
た中央ジャカルタ市タムリン通りでのテロ事件にも関わっている。


そのリーダーが逮捕されたことから、ジャマアアンサルッダウラのメンバーたちが警察へ
の報復戦闘行動を開始した。4月8日朝、東ジャワ州トゥバン県ジュヌ郡スムルグヌン村
のジャテイプトゥンの森にある県警プルン警官詰所に一台の乗用車がゆっくりと接近して
来た。詰所にいた交通警官らは、何か尋ねたいことがあって接近してきているのだろうと
思った。ところがその乗用車、ダイハツテリオスの中から銃声が起こったのだ。詰所への
銃撃は三回行われた。交通警官らは即座に遮蔽物を探して身を隠す。弾丸は詰所のベニヤ
板の壁にめり込んでいた。

襲撃者はヒットエンドラン式襲撃を行って逃走しようとしたため、交通警官はハンディト
ーキーでジュヌ警察署に連絡し、大通りをブロックして乗用車を捕らえるよう要請する。

ジュヌ警察署の前にバリケードが置かれているためにダイハツテリオスはその手前でUタ
ーンした。ジュヌ警察署の機動旅団員がパトカーで後を追う。パトカーがテリオスと接触
したとき、テリオスに乗っていた男たちが銃口をパトカーに向けた。パトカーはアクセル
を踏んでテリオスの前に出る。そのとき、テリオスは急停車して中から数人の男たちがバ
ラバラと車の外に飛び出してきた。

事件発生を知ったトゥバン軍管区の兵員が応援に駆けつけて来て、ジュヌ署の機動旅団員
に協力して逃げようとする襲撃者を追う。この一帯は住民の農園や畑が散在しているエリ
アだ。逃げた襲撃者を探す中で、トウモロコシ畑の中に襲撃者が隠れたことを住民が教え
てくれた。捜査員と兵員がトウモロコシ畑を包囲する。見つかった襲撃者たちは追跡者に
向けて発砲を開始した。銃撃戦が始まる。

およそ1時間かかった銃撃戦の結末は、襲撃者6人が射殺され、もうひとりが逮捕された。