「太陰暦と太陽暦は互角か?(終)」(2017年04月18日)

土曜日のSabtuとはユダヤ人のSabatの日だ。週の最後の日であり、日々の暮らしの営みを
しばし休んで聖なる日を祝い、聖なる書物をひもとき、祈りを捧げ、歌い、客人をもてな
し、夫婦の和合を固めよというエロヒムの命に従う日である。

金曜日のJumatはすべてのムスリムがモスクやランガルに集まり、衆人が一緒になって礼
拝する民の日だ。週の6日目にそれを行えとのアッラーの命がアルジュムアの章に記され
ている。


英語やドイツ語、オランダ語といったゲルマン系の言語では、週日の名称がまた違ってい
る。
曜日 : 英語   : オランダ : ドイツ
 日 :  Sunday    :  zondag    :  Sonntag
 月 :  Monday    :  maandag   :   Montag
 火 :  Tuesday   :  dinsdag   :   Dienstag
 水 :  Wednesday :  woensdag  :   Mittwoch
 木 :  Thursday  :  donderdag :   Donnerstag
 金 :  Friday    :  vrijdag   :   Freitag
 土 :  Saturday  :  zaterdag  :   Sonnabend

この系統については、日曜日がsun、月曜日がmoon、土曜日がSaturnusに因んだ名称にな
っているものの、他の曜日はギリシャ〜ローマの名称とは縁もゆかりもないものになって
いるように見える。だが実は、ギリシャ〜ローマと同様に自民族の伝統の中にある神々の
名称が使われているのである。ウィキによれば、火曜日 (Tuesday) は北欧神話における
天空神テュールに、水曜日 (Wednesday) はアングロサクソンの主神オーディン(ウォド
ン)、木曜日 (Thursday) は北欧の雷神トールに由来しており、金曜日 (Friday) は北欧
の愛の女神フレイヤ(フロイア)の名が使われているそうだ。


ともあれ、こうして7という特別の数字が毎週全人類を祝福する時代となったわけだ。イ
ンドネシアにもtujuhという単語を交えた熟語が大量に存在している。
tujuh keliling, tujuh bulanan, penujuh hari, sampai tujuh turunan, langit ketujuh,
 bintang tujuh・・・。

7が神に祝福された完璧な数字であるのなら、7に足りない6という数字は神の持つ完璧
さに似せて見えてはいるが、何かが欠けている不完全不潔癖なものという見方が生れてく
る。そんな数字である6を三度唱えることで、神に対立する完璧さに欠けた存在、人間に
災厄をもたらす恐るべき者がその姿を現してくるとサムスディン・ブルリアン氏は警告し
ている。それに従うなら、週六曜制というのは全身総毛立つような呪われた日々がやって
くるようにも思われるが、人間の運不運は塞翁が馬だろう。ポール・サイモンも歌ってい
るように、祝福を永遠に受け続けることなどあり得ないのが人間というものなのである。
[ 完 ]