「ベラ殺害事件」(2017年04月20日)

2017年4月3日17時半ごろ、南ランプン県ジャティアグン郡カランアニャル村カラ
ンインダ部落の道路脇に小柄な少女が血だらけになって倒れているのを地元民が発見して
通報した。少女はランプン州警察病院に運ばれたが、腹と背中の数ヵ所に深い刃物傷を受
けており、救急治療室での処置ではその生命を救うことができなかった。

その少女は南ランプン県ナタル郡スカラメ村住民のブガ・フィカリア通称ベラ17歳であ
ることが判明した。警察は事件捜査を開始した。


その日の昼過ぎ、ナタル郡の養魚池にいたベラの女友達イルマ17歳のところに知合いの
男ファジャル26歳とテウェン19歳が会いに来た。「自分の恋人が妊娠したので、中絶
のために金がいる。オートバイを強奪できる奴はいないか?」とファジャルがイルマに尋
ねる。

「それだったら、ベラをやれば?」
イルマがベラを勧めたのは、イルマの恋人がベラに乗り換えたことでベラへの憎しみが渦
巻いていたからだ。男の方が女を乗り換えても、ふられた女は別の女が自分の男を奪った
というものの見方をする。

3人が犯行計画を練っているとき、仲間のカップルA17歳とS16歳がやってきて、そ
れに加わった。殺しの実行者はあくまでもファジャルだ。他の4人はそれに協力するとい
う役割分担。計画ができあがると、イルマはさっそく実行に取り掛かった。
「ジャティアグンで友人がガス欠になったのよ。ガソリンを持って行くから、あんたはオ
ートバイであたしを迎えに来て。あたしはナタルの養魚池にいるから。」

ベラはナタルの市場にヤシの実を運んでから、イルマを迎えに来た。ベラとイルマはジャ
ティアグンに向かう。そこには、オートバイがガス欠になって困っているふりをしている
ファジャルとAがいた。


ファジャルがベラを脇のゴム園に誘った。「ちょっと小便したいから、一緒に来てくれよ。
」
しかしベラは拒絶した。男の小便になんで女を誘うのか?

ファジャルはゴム園の中でベラの殺しを実行するつもりだったのだろうが、誘い方があま
りにもお粗末すぎた。


ガス欠のオートバイにガソリンを入れてから、2台のオートバイはそこを出発した。ベラ
のオートバイはファジャルが運転してベラを後ろに乗せ、イルマはAの運転するオートバ
イに乗った。しばらく走ってから、ファジャルはイルマにベラの後ろに乗るよう命じた。
カランアニャル村カランインダ部落の人影のない道路まで来たとき、ファジャルは突然ナ
イフを抜いてベラの腹を引き裂いた。一瞬遅れて、イルマもナイフをベラの背中に突き立
てた。腹の傷口から内臓の一部がこぼれ出ているベラを道路脇に投げ出したファジャルと
イルマは、そのままスピードを上げて逃走した。


ランプン州警察一般犯罪捜査局と南ランプン県警犯罪捜査ユニットは4月5日までにベラ
殺害に加わったイルマ、テウェン、AとSをそれぞれの隠れ場所で逮捕した。

ベラ殺害実行犯で、ベラのオートバイを奪って売り払ったファジャルの捜索を州警察が続
けていた4月11日、殺人犯が自首してきたとの連絡がジョグジャ州警察から入った。ラ
ンプン州警は直ちにお迎えの刑事をジョグジャに派遣した。