「スンダメガスラストでバリ島が壊滅するか?」(2017年04月28日)

バリ島南部の海底を震源とする地震が2017年3月22日午前7時10分に発生し、更
に4月6日11時44分に再発した。前の地震の強さがM5.6で被害の報告が出されて
いたが、後の地震はM4.4で、震源地は南緯9.26度東経115.49度のバリ島か
ら南へ81キロ離れた海底の深さ76キロの位置だったと地学気候気象庁が報告している。
その地震の震源地は前の地震のものから60キロほど南東に離れたものだった。

揺れの強さは比較的弱いもので、ヌサドゥア・デンパサル・トゥバン・クタ・ギアニャル
・クルンクンでI SIG-BMKG、MMIでは第2度のものだった。この強さは人によって揺
れを感じ、また被害の出ない可能性が高いものと定義されている。


バリ島南方のインド洋にある沈み込み帯で起こった地震の記録では、2011年10月1
3日にM6.8、1977年にはもっと東のスンバワ島南方で津波を伴うM8.3のもの、
1994年には西のバニュワギ南方でやはり津波を伴うM7.8といった強いものが見ら
れる。

これまで地震空白域だったバリ島南方が、最近になって上のように地震の発生が顕著にな
ってきたということなのだろうか?


スマトラ〜ジャワ〜バリ〜西ヌサトゥンガラと続いているインド洋の沈み込み帯はインド
オーストラリアプレートがユーラシアプレートの下に年間70ミリの速さで沈み込んでい
る。そこでたくわえられた巨大なエネルギーが解放されるとき、凄まじい地震の発生が懸
念されているのである。

シンガポールのアースオブザヴァトリー理事がバリ島南方にある地震帯の活発化を警告し
た。ここ数年間をスマトラ〜ジャワ〜バリの西方にあるインド洋巨大断層ゾーンの研究に
費やした理事は、過去数百年の眠りからさめて地震帯が活動を開始したことを上の地震が
示しているのだ、と言う。

「そのエリアは、M8.5〜M9の強烈な単発あるいは群発の地震が将来発生する可能性
を秘めている。その地震によって、ジャワ島南部からバリ島にかけてを津波が襲うかもし
れない。」

地震予知対策のためにインドネシア政府が作っている全国標準地震地図2012年版にバ
ンドン工大地震専門家が、バリ島南方の沈み込み帯における最大級の地震の強さをM7.
8とするよう提案した。しかし現在改定が進められている標準地震地図最新版の原稿には
M8.5と記入されている。