「バリ第二空港プロジェクト企画がいよいよ」(2017年05月06日)

インドネシアでトップの外国人入国ポイントであるバリ島グラライ空港が飽和状態になり
つつある。グラライ空港の規模拡張はきわめて困難だ、と運輸省空運総局長が表明した。

今、グラライ空港の航空機発着は1時間当たり27ムーブメントに達している。効率を更
に高めることで30ムーブメントにアップさせるよう現在努力しており、年内にそれを達
成させる目標を立てている。しかしそれ以上はもう無理だ。航空管制システムを増やせば
35ムーブメントまで引き上げることができるとはいえ、そのためには海岸線沿いに9百
メートルほど海を埋め立てて敷地を広げなければならない。それは滑走路をもう一本作る
のと同じように、現在の場所では実現がたいへん難しい。環境問題とアダッの問題がその
困難な要因になっているのだ。一方、観光振興の国家方針は年々入国観光客の顕著な増加
を招いている。その国家方針を支えるために、バリ島第二空港が早急に必要とされている。
総局長はそういう内容を語った。


数年前からバリ島第二空港の話題は議論が始まっており、政府はいよいよその実現に向け
て、行動に着手することを決めたようだ。まずロケーションについては、バリ島北部のブ
レレン県に二ヵ所の候補地があがっている。ひとつはブレレン県東部クブタンバハン
(Kubutambahan)郡の海岸で、農業生産用地を減らさないようにするために海を干拓して海
上に張り出す形にする基本構想を持っている。ブレレン県県庁所在地シガラジャ
(Singaraja)の町からは20キロもない距離だ。

もうひとつの案は既存のウィスヌ中佐飛行場を空港に改造するというもの。このグロッガ
ッ(Grokgak)郡スンブルキマ(Sumberkima)村にある飛行場は地方行政府の管理するパイオ
ニア飛行場であり、まだ商業空港のステータスにはなっていない。2013年以来、この
飛行場はバリ国際航空学院のホームベースとされ、飛行機パイロットを養成する孵卵器の
役割を努めている。シガラジャからはおよそ60キロ離れている。

その二案の双方に民間コンソーシアムが付いて、その実現を推進させようとしている。ク
タタンバハン案はカナダのエアポートキネシスとPT Bandara Internasional Bali Utara
を中心として、カナダ・韓国・ベラルーシの企業が参加している。ウィスヌ中佐飛行場案
の方はPT Baruna Indonesiaとシンガポールのサカエコーポレートアドヴァイザリーが組
んで、既存の飛行場をどのように改造するのかについて知恵を絞ることになる。いずれの
案にもフィーシビリティスタディは不可欠であり、各案の実現による環境への影響や地元
経済への影響などについての調査分析が行われることになる。

運輸省はその二案に関する諸要素を比較検討した上でいずれかを選択することになるのだ
が、その検討委員会の中に地元政府と地元のアダッ有力者を加えて、地元の視点に即した
結論を出したいとしている。