「レジ袋有料化トライアルの次は?」(2017年05月10日)

プラスチックゴミを減らすことを目的にして、政府は2016年2〜9月にトライアルを
実施した。小売業者協会に加盟しているモダンマーケットを対象にし、特定都市でプラス
チック買物袋の無料提供をやめさせ、どうしても欲しい客には有料で袋を与えるという、
いわゆるレジ袋有料化がその内容であり、その成果として、それらの店ではレジ袋の消費
が55%減少した。

トライアルというのは期限が必ずつくものであり、期限が満了してその成果を検討してい
る一方で、トライアルに参加した店はそれまで行っていたことを消費者に対して継続して
かまわなかったわけだが、即座にかつての無料化に切り替えた店が何軒も出現し、有料化
を継続していた店も消費者からの不評に耐えられなくなって、最終的にほとんどすべての
小売店が元の木阿弥になった。

もちろん、トライアルで成果が出たから、それでよいというものではない。なにしろ目標
は、プラスチック廃棄物の極少化なのである。そして政策の目はあくまでもレジ袋に向け
られているのだ。それがもっとも効果を測定しやすい領域であることも一役買っている。


インドネシアにはチュカイ(cukai)という課金制度がある。チュカイというのは市場にあ
る商品のうちで、特定商品が国民生活に及ぼす影響を考慮してその消費量をコントロール
することを目的にする課金である、という原理が現在確定している定義だ。現在チュカイ
が課されている物品はタバコ製品・エチルアルコール含有飲料・アルコールの三品目だけ
で、生産者のみに課される。現在国庫のチュカイ収入は95%がタバコ産品で占められて
いる。

政府は以前から飲食物用プラスチック包装素材の消費を減少させるのを目的にして、その
商品へのチュカイ適用を検討して来た。ところがここにきて、焦点がプラスチック買物袋
の方へ移動してきている、とフィスカル政策庁関税チュカイ分野担当主幹は語る。

大蔵省はプラスチック買物袋に対するチュカイ適用の準備を進めている。一方小売業界へ
の政策も別にあり、バイオプラスチックを素材にするレジ袋を使わない小売業者にはプラ
スチック袋を回収するためのドロップボックスを店に設置するよう義務付ける方針だ。

要は分解しにくい素材のプラスチック袋を回収させて仕事を増やしてやれば、それを嫌っ
て分解しやすい素材のレジ袋を使うようになるだろうという腹積もりのようだ。しかし小
売店が本気になってプラスチックレジ袋のリサイクルに取り組めば問題があふれ出てくる
ことになる可能性が高い。


現実に今マジョリティになっている分解しにくいレジ袋のリサイクルはリサイクルが難し
い、とプラスチックリサイクル業者協会会長は言う。リサイクル業界がそんなものを持ち
込まれても商売にならないと言っているのだから、小売店は客が捨てたレジ袋をそのまま
ゴミに出すにちがいない。

「プラスチックゴミ対策を行っている県市がいったいどれだけあると言うのか?ゴミの流
れのルートをいじくったところで、結局行きつくところは今と変わらないのではないだろ
うか?そんなことをさせて、何になるのだろうか?」小売業者協会会長はそう述べている。