「コモド島へのルートもあるサーフィンの穴場」(2017年05月15日)

ロンボッ島の東側にあるのがスンバワ島で、そのまま東方に向かってコモド島〜パダル島
〜リンチャ島〜フローレス島と横一線に連なっている。一方、フローレス島のほとんど南
側にあるのがスンバ島で、こちらは東方に向かってライジュア島〜サブ島〜ロテ島〜ティ
モール島と円弧を描いて連なっている。


スンバワ島東側のサペ(Sape)の港とコモド島への入り口である西マンガライ県ラブアンバ
ジョ(Labuan Bajo)は定期航路で結ばれている。およそ6時間の航海だ。3百人乗り客船
チャカラン号でサペからラブアンバジョへ渡るひとは、フローレス島で商売するひとと学
生がほとんどを占める。国内外観光客はときどきあるかないかという様子。

この船はコモド〜パダル〜リンチャの島々を横に見ながらラブアンバジョを目指すから、
それらの島々を前もって海から眺める楽しみが味わえる。ピンクビーチも見渡せる。


スンバワ島にも観光スポットはある。西スンバワ県では雲の上の村マンタル(Mantar)村、
スンバワ県のモヨ(Moyo)島、ドンプ県のタンボラ火山、ビマ市のビマ王宮。それらのスポ
ットを愉しんでから、旅人はコモド島を目指してサペに向かう。

観光客の少ないのがスンバワ島観光の魅力のひとつでもある。データによれば、スンバワ
島を2015年に訪れた国内観光客は66,654人、外国人旅行者は1,802人だっ
た。外国人の多くはサーフィンを楽しみに来たひとびとで、波も良いし、ともかく混雑の
ないのがサイコーだとコメントしている。

今や観光開発の進んでいるロンボッ島を含む西ヌサトゥンガラ州が記録した2015年の
観光客数は国内観光客が115万人、外国人が106万人だったから、スンバワ島がいか
に空いているかがよくわかる。ちなみに東ヌサトゥンガラ州のコモド国立公園訪問者数は
インドネシア人19,215人、外国人76,195人だった。コモド島に渡るのなら、
ラブアンバジョよりもサペのほうが近い。ラブアンバジョからだと3時間かかるが、サペ
からは2時間で到着できる。


スンバワ島のサーフィンスポットのひとつは西スンバワ県のトロピカルビーチ(Pantai 
Tropical)。大きな波が次々にやってくる沖合に見えるサーファーはほんの数人しかいな
い。浜にいるひとびとも、三々五々、思い思いに遊んでいる。

たまたま居合わせたフランス人観光客は、8人の仲間と一緒にサーフィンに来た、と語る。
かれらはバリ島で入国してからロンボッ〜スンバワと観光を続け、各地でサーフィンを楽
しみながらこのトロピカルビーチまでやってきた。「スンバワ島は波が良い。自分たちに
合っている。おまけにここは空いている。ここまでやってくるのは、混雑を避けたい人が
多い。」

トロピカルビーチは西スンバワ県県庁所在地のタリワン(Taliwang)からおよそ45キロの
距離にあり、車でおよそ2時間弱かかる。

このビーチが開発されたのは、スンバワ島で金鉱事業を行っているニューモント社の保養
場所に使われ出してからだそうだ。海岸に沿って建てられているホテル「トロピカルビー
チリゾート」は2001年の開業で、当初はニューモント社関係の客ばかりが泊まってい
た。2003年に旅行会社がパッケージツアーの誘いを持ってきて、それ以来宿泊客の数
はひと月に30人くらいに増えた、とホテル従業員は語る。たいてい6〜7人くらいのグ
ループでやってきて、一週間くらい滞在するそうだ。

地元民はこのビーチをパンタイブインバトゥと呼び、70年代ころは地元民が波打ち際で
魚釣りをするくらいの場所だったが、トロピカルビーチリゾートが出来て以降はそこがト
ロピカルビーチと呼ばれるようになった。

客はたいてい朝や夕方にサーフィンを楽しんでいるが、満月の夜には夜中まで海に出るひ
とが多い、との話だ。満月下のサーフィンを楽しみたい方は、トロピカルビーチでどうぞ。