「旅の必需品は土産物」(2017年05月22日)

インドネシアナンバーワンの観光地バリ島の南部には土産物専門店がたくさんある。土産
物としての需要があるさまざまな商品が取りそろえられており、おまけに価格も他の店よ
り廉価なものが多い。だからバリ島在住者でさえ、時にそこへ買物に行くありさまで、そ
れらの土産物専門店はいつ訪問しても客であふれている。客の大半はバリ島外からやって
きた国内観光客だ。インドネシア社会では「おみやげ」の習慣が社会生活における重要事
のひとつになっている。


南スラウェシ州マカッサルの名物として近年とみに名前を高めているのがジャランコテ
(jalangkote)。ジャランコテというのは通常パステル(pastel)と呼ばれている軽食の一種
だが、皮が薄くてパリパリしており、具はニンジン・ジャガイモ・もやしと卵を混ぜ、種
々のブンブで味付けしたもので、一個5〜7千ルピアで販売されている。

見た目は通常のパステルと大差ないのだが、食感の違いにファンが付いているようだ。こ
のジャランコテはまだマカッサルでしか買えないもので、だからこそマカッサルへ行った
という意味合いをそこに込めることができる。


ヨグヤカルタ特別州グヌンキドゥル県の土産物で最近人気の高まっているものはバッタ。
バッタにブンブをからめたものを揚げて食べる。グヌンキドゥル住民は昔からバッタを塩
とニンニクを混ぜた水にさらしてからカリカリに揚げて食べていた。そのローカル食品が
土産物になったということだ。食用にされるのは稲につくバッタと樹に付くバッタ。

このバッタの唐揚げはキロ当たり8万ルピアの価格で、小分けされた袋入りでも売られて
いる。バッタの需要が高騰したために地元での供給が追い着かず、プルウォレジョやパチ
タンからもバッタの仕入れが起こっている。ヨグヤからグヌンキドゥルに向かう街道沿い
には、バッタの唐揚げを販売する売り子が大勢出ているそうだ。


「おみやげ」の習慣がどれほど凄まじいものであるかを、コンパス紙R&Dの調査報告か
ら見ることができる。国内14都市住民595人から集めた統計によれば、旅行に出たと
きは必ずおみやげを買っているひとが49.9%おり、ときどき買っているひとは45.
2%いて、95%がおみやげ族になっているのだ。全然買わないと言うひとは4.9%し
かいない。

また旅先での土産物購入場所は、次のような順位になっている。
土産物販売センター 50.4%
伝統型パサル 44.0%
モダン土産物販売店 5.1%
その他 0.2%