「海外出稼ぎ者は650万人」(2017年05月26日) 2016年労働省データによれば、インドネシアで働いている外国人就労者は43,81 6人で、そのうちアセアン加盟国国民は5,339人しかいない。ところが反対にアセア ン諸国に働きに出ているインドネシア国民はなんと、240万人もいる。それは海外出稼 ぎ者全体を見ても同じことが言える。つまりインドネシア人は世界178ヵ国で650万 人が働いているのだから、アセアンだけの特殊事情ということではないのだ。 アセアンに限って見るなら、最大はマレーシアの2,166,771人、次いでシンガポ ールの153,712人、さらにブルネイが75,061人、カンボジャ1,439人、 フィリピン1,089人、タイ340人、ミャンマー330人、ベトナム163人、ラオ ス143人といった内訳。 就労内容は、フォーマルセクター653,404人、サービスセクター58,011人、 船員25,833人、専門業種いわゆるプロフェッショナル19,467人、そしてイン フォーマルセクターが1,642,333人となっている。 ただ実態はそれらの公的数字を超えて、不法就労者の影がちらついているのも確かだ。 なお、いわゆるプロフェッショナル業種については、次の職業資格に関してアセアン域内 で相互承認協定がなされている。 建築士、サーベイヤ、看護士、技術士(PE)、観光ガイド、会計士、医師、歯科医師 建築士とPEについて、アセアン各国の資格保有者数を見てみると、インドネシアが圧倒 的に多いことがわかる。 国名 建築士数 PE数 ブルネイ 9 11 カンボジャ 4 53 インドネシア 125 843 ラオス 9 11 マレーシア 36 294 フィリピン 62 240 シンガポール 86 253 タイ 26 176 ベトナム 12 196 一般論として、かれら技術畑のインドネシア人も外国の企業に就職する海外出稼ぎ者とな る傾向が高いようだ。一説によれば、その理由は複数ある。 1)インドネシアの賃金給与が先進国より低い 2)インドネシアの労働環境が不安定であり、解雇・倒産も容易に行われている 3)インドネシア社会がその職業に相応のリスペクトを払わない 4)留学先大学で資格を取得し、そのまま現地で就職する 5)インドネシアで資格を取得した者は、その国で証書が認定されないため廉く使えるこ とから、その国の企業がウエルカムをしている もちろん相互承認協定があれば、5)は成り立たないわけだが・・・