「ラディカリズムが学校教育の場で」(2017年05月30日)

デモクラシーと平和のためのスタラインスティチュートが2015年にジャカルタとバン
ドンの国立高校を対象に行った調査によれば、国家原理をパンチャシラからイスラム教に
入れ替えることに賛成する者が8.5%おり、ダエシュ/ISISを支持する者が9.8
%いた。

その数値はまだ小さいものであっても、国立高校は基本的に宗教よりも民族性を上位に置
いているはずという理解から見るなら、その状況は不安をもたらすものとなる。そして、
そのカギとなっているものをスタラインスティチュートが発見した。宗教学習に使われて
いる教材(PAIテキスト)を調べたところ、多様性の価値に逆行する内容のものが31
%を占めていることが明らかになったのである。

市中で販売されているPAIテキストには多くの間違いがあり、ラディカルな方向性に価
値を置き、コンフリクトの解決には暴力を用いることを教えている。


スタラインスティチュートは2016年に国立高校やマドラサで使われているPAIテキ
スト150冊を調査し、アルクルアン章句の誤筆と訳文の誤りがもっとも多いことを発見
している。その間違いによって、本来解釈されるべき正しい内容が間違ったものになり、
その結果上であげたような教育に向かうようになる。

サイフルムジャニリサーチコンサルティングは2015年12月に、22〜25歳市民の
4%と学生の5%がISISを認識しており、そして支持していることを発見した。

教育の中で、思考の自由はたいへん重要なことだ、と教員の光財団理事長は語る。そうす
ることで、教育材料が単なる知識にとどまらず、意識の中に吸収されるからだそうだ。

人格教育専門家は、生徒にパンチャシラを教科の中でだけ教えるのでなく、その意義や応
用などを直接教えるべきだ、と提言する。「パンチャシラをいくら覚えさせても、解決に
ならない。生徒に批判的思考のロジックをもっと強化させることを優先しなければならな
い。」

教育文化相は児童生徒に対する人格教育の重要性を唱えている。