「中国ブランドの進出顕著なガジェット市場」(2017年07月17日)

2017年Q1にインドネシアでセルラー電話契約者が1千万人を超えるネット増を示し
た。世界のトップはインドの4千3百万人増、次いで中国の2千4百万人増、そしてイン
ドネシアが第三位とのこと。インドネシアはこれまで5〜6百万人レベルのネット増だっ
ただけに、今回の激増が業界の注目を集めている。インドネシアの移動通信オペレータ別
契約者総数は、Telkomselが1億7千3百万、Indosat Ooredoo8,160万、Triが5,
600万、そしてXL4,650万といったところ。

一方、使われているガジェットの市場競争は激しさを増しており、中国ブランド製品が既
存の市場からシェアを奪いつつある。IDCインドネシアのデータでは、インドネシア市
場のシェア競争は次のようなヒストリーになっている由。

2015年Q1(市場規模630万台)
中国ブランド 12%、 グローバルブランド 48%、 ローカルブランド 34%、 
その他 6%
2016年Q1(市場規模640万台)
中国 23%、 グローバル 51%、 ローカル 20%、 その他 6%
2017年Q1(市場規模730万台)
中国 31%、 グローバル 47%、 ローカル 17%、 その他 5%

インドネシア市場のガジェット購買力が低価格帯から中流レベルにアップしてきており、
中国ブランドがターゲットにしている2〜4百米ドルに市場側がフィットしてきているの
が、中国ブランド躍進の原動力になっている。メーカーは大衆に人気のある若いセレブや
タレントを起用してテレビ・新聞・ビルボード・チラシなどのメディアに活発な宣伝を展
開しており、アフターサービスポイントを増やして購入者へのサービスに努めていること
から、かつての低信頼度という常識が昔語りになりつつある。

17年Q1のトップ5ブランドはSamsung, Oppo, Asus, Advan, Lenovoだった由。
2015年のインドネシア市場輸入スマートフォントップ5ブランドは次のようになって
いた。(ブランド: 輸入台数/シェア)
Samsung 730万/24.8%
ASUS  470万/15.9%
Smartfren 320万/10.8%
Advan  280万/9.6%
Lenovo 190万/6.5%

フォーチュン誌2017年5月23日号が採り上げたガートナー社の世界市場に関する記
事はやはり中国ブランドの躍進を物語っている。サムスンやアップルに対抗する上級製品
を中国ブランドはより低価格で市場に出してきている。2017年Q1の市場リーダーは
依然としてサムスンで、総出荷台数7,870万台で20.7%のシェアを堅持している
ものの、これは16年Q1の8,120万台シェア23%からは落ちている。アップルは
5,200万台で16年同期の5,160万台から微増しているが、シェアは13.7%
にダウンした。他のトップ5はHuawei、Oppo、Vivoで、その三社合計は16年Q1の2,
890万台から17年同期は3,420万台に大きくアップしている。