「東ジャワでもホテル産業が過当競争」(2017年07月25日)

ホテルレストラン会東ジャワ州支部によれば、州内にあるホテルは星級が110軒、非星
級が1千5百軒あり、需給関係がアンバランスになっているため、投げ売り合戦に至る可
能性がきわめて高いとのこと。客室供給が過剰になっていることから、客室稼働率は40
%を割っている。ホテルレストラン会州支部長によれば、同地区ホテル業界の損益分岐点
は客室稼働が60%であり、昨今のように稼働率が40%でしかないなら、毎月2割の赤
字が続くことになる。

それ故に業界は地元政府に対し、客室料金最低タリフ制度を早急に設けるよう要請した。
業界が自主的にそれを行えば、カルテル行為として独占と不健全競争に関する違反行為に
問われることになるため、行政側からその制度の実施を命じられなければ実現性に欠ける
ことになる。

業界は集客力を高めようとしてすでに10%からその下のクラスの料金レベルまでの割引
を実施している。コンパス紙が旅行予約ネットサイトで調べたところでは、マランの非星
級ホテルの中に一泊7万8千ルピアの料金をオファーしているところがあり、またスラバ
ヤの三星級ホテルの中に一泊28万ルピアという料金を出しているところも見つかってい
る。

あるいは収益性を調整しようとして、従業員減らしを行ったりして経費削減に努める方法
を採ることも行われていて、業界の健全なあり方が損なわれはじめている。このような状
態が放置されれば、赤字経営、サービス低下、料金投げ売り合戦などの悪影響が出現する
のは間違いなく、業界の売り上げが低下すれば地方税であるホテルレストラン娯楽税が減
っていく結果をもたらす。今現在ホテルレストラン娯楽税は年間8億ルピアを州政府にも
たらしているが、州政府の財源のひとつが悪化するのも疑いがない。行政がその対策に新
規ホテルの開業をどんどん許可して行っても、新規ホテルの客室稼働が好調なのはせいぜ
い最初の6か月程度であり、そのあとはかえって競争状態を悪化させて業界全体の経済性
を奈落のどん底に落とし込んでいくだけだ。

料金割引を集客方法の手段にしようとすることは自分で自分の首を絞めているだけであり、
消費者はただ廉価料金を求めているだけでなくサービスレベルをもホテル利用の選択条件
にしていることを忘れてはならない、と業界指導層は業界者に忠告している。だから値引
き合戦は下策なのであり、サービス競争で業界全体を繁栄させていくのがあるべき姿なの
だとの弁。

スラバヤやバニュワギで廉価宿泊業が急激な増加を示したことから、地方政府はその抑制
にかかった。スラバヤ市長によれば、過去5年間で市内の廉価宿泊施設は2百パーセント
も増加したとのこと。供給量の増加が妥当な程度に調整されなければ、このビジネスは崩
壊しかねないとのこと。反対に四星五星級ホテルはまだまだ需要のほうが大きく、このレ
ベルの新規ホテル許可は何らの制限も受けることなしに与えられる。国際的な会議や催事
のためにスラバヤを訪れる外国人のための妥当な宿泊施設供給がまだバランスしていない
のがその理由である由。