「政治献金詐欺」(2017年08月04日)

大統領の名前を騙って国有会社から政治献金をまきあげようとした外国人詐欺師が首都警
察に逮捕された。逮捕された詐欺師一味は三人で、ギニア国籍のS46歳、リベリア国籍
のD31歳、インドネシア国籍のR26歳がそれ。Rは女性でDの妻になっており、この
ふたりは北ジャカルタ市のアパルトメン「グリーンレイク」で捕まった。主犯格のSは南
ジャカルタ市のホテルアストンで逮捕されている。

この三人は大統領宮殿とジョコ・ウィドド大統領のロゴが上部左右に入ったレターヘッド
に次回大統領選挙での支援を要請する内容の文章と大統領のサインをも偽造して国有事業
体51社に送り付けた。文章には、これまでのサポートに感謝し、2019年大統領選挙
でも支援を継続するように要請する内容が書かれており、それが選挙資金の寄付を求める
意図を物語っているのは言うまでもないだろう。

手紙には大統領のeメールアドレスとしてjokowiriana@gmail.comが記され、またワッツ
アップのアプリケーション番号と大統領の顔写真も添えられていた。首都警察の調べでは、
メルアドもアプリ番号も偽物である由。そのメルアドも含めて、大統領はeメールアドレ
スをまったく持っていない。


警察はこの一味が国際ネットワークに加わっているプロフェッショナルであるとの心証を
得ており、その線を確認して国際組織を壊滅させるべく米国FBIとの共同オペレーショ
ンを実施する構えでいる。

この事件が明るみに出たのは、国有公社「住宅建設」が国家官房にその手紙を示してチェ
ックするよう求めたのが発端で、国家官房からの「そのような手紙は発行されていない」
との確認を添えて「住宅建設」社が首都警察に事件を届け出た。

首都警察は秘密裏に捜査を進めた上でその詐欺師一味を逮捕し、携帯電話機8台、ラップ
トップコンピュータ2台、銀行預金通帳8通、偽造文書1枚と文書受領書1通を証拠品と
して押収している。

国有事業体51社の中にこの詐欺に引っかかったところがあるのかどうかは、犯人側から
得られた証拠品のデータから確定できないため、これから逐一問い合わせをかけていくこ
とになる由。