「マラン旅行記(下)」(2017年08月09日)

午前10時:イジェンブルヴァールから6キロほどの距離にあるジョディパン村(Desa 
Jodipan)が昔のスラム地区から目覚ましい変貌を遂げているという情報を得ていたから、
わが目で確認せずにはおけない。
村内のRW009の中の三つのRTに属す87世帯で、家屋が原色を使ったにぎやかな色
使いで塗られ、目に鮮やかな色のハーモニーを楽しもうと大勢のひとが集まってくる。ブ
ランタス川の両岸に広がったスラム地区も、塗装作業のおかげでここまで変化するものな
のだ。
大学生の発案にNGOとペイント会社が協力し、実行委員会がすべてを計画して実施した。
このプロジェクトで2.5トンのペンキが消費されたそうだ。今では行楽客がこの地区を
見にやってくる。色の洪水に浸って、ゆっくりと雰囲気を楽しむひとが多い。週末には訪
問者が7百人にのぼるそうだ。訪問者は2千ルピアを払わなければならない。集められた
金は清掃人への支払いと、そして塗装の補修や壁画作成の費用に使われる。

14時半:ジョディパン村から15キロ西に離れたマラン県カランプロソ(Karang Ploso)
郡プンデム(Pendem)に向かう。マラン市郊外一帯は交通渋滞からまだまだ免れているので、
30分で到着した。ここのお目当ては昼食のソトアヤム。
プンデムのソトアヤムはソトラモガン(soto lamongan)に似ているが、汁はずっと濃い。
噛むごとに滲み出てくるアヤムカンプンのうまみは、また格別のもの。更に曇り空からし
としとと雨が降ってくれば、熱いソトアヤムの旨さはまたまた大きく跳ね上がる。
次の目的地はマラン県に隣接するバトゥ市(Kota Batu)だ。雨が止むのを待ちながら、道
端のワルンで世間話がはずんだ。

19時:夕方になって雨があがり、バトゥ市に向かった。目指すはバトゥの新名所、行楽
施設のバトゥナイトスペクタキュラー(Batu Night Spectacular)だ。そこには提灯ガーデ
ン・4D映画館・お化け屋敷・お化け退治・ゲームルームなど28の娯楽設備が来訪者を
待ちうけている。そのほとんどは光と闇を効果的に扱った設備であるため、ここは夜訪れ
るほうがはるかに楽しい。
園内には写真撮影に最適なスポットもいくつか用意されている。28の娯楽設備をすべて
踏破したいひとは、7万5千ルピアのチケットを購入すればよい。もちろん週末にはお値
段が9万ルピアになるのだが・・・
それらの娯楽設備で遊ばなくとも、園内の照明を楽しむだけで慰安を満喫することもでき
る。「まあ何かひとつ遊んでみようか」とお考えの方は、お化け屋敷をトライしてみるの
も一興だろう。「お化けなぞ、何が怖いものか」とおっしゃるひとも少なくないのだが、
屋敷内のさまざまなサプライズはそんなひとにも十分楽しめるものであるにちがいあるま
い。[ 完 ]