「新生児にコーヒーを飲ませる母親」(2017年09月11日) インドネシアのママたちの間で語り伝えられている新生児ケアに次のようなものがある。 この種の慣習から来る知識情報の中に、科学的根拠のないもの、誤ったもの、効用よりも むしろ害をもたらすようなものが散見される。インドネシア人はその種の知識情報につい て、「正しい」「間違っている」という表現をせず、「事実 = fakta」「神話/伝説 = mitos」という表現を用いるのが普通だ。 1)赤児の体に冷水を使うと、強い子に育つ 2)赤児用の腹帯をすると、腹ボテや出べそが矯正される 3)赤児の脚をおくるみでしっかり包むと、まっすぐな脚になる 4)赤児の頭髪を剃って丸坊主にすると、豊かな頭髪になる 5)生後40日間、赤児の爪を切ってはいけない 6)赤児の頬をチャベラウィッで撫でると、えくぼができる 7)歩行器を使わせると、立ち歩き始める時期が早くなる 8)コーヒーを飲ませると、ひきつけを起こさない 9)水を飲ませて、口濯ぎさせる 10)ハチミツやハチミツ/赤砂糖を水で溶かしたものを飲ませ、舌を慣らせる 11)バナナ・お粥・バン・ビスケットを食べさせ、満腹させるとよく眠る 特に飲食物に関する知識情報については、全国民に出生後6カ月間の母乳だけの育児を指 導奨励している国家方針と明らかにバッティングしている。2012年に政府はその国家 方針に関する政令をわざわざ定めて、新生児の生後6カ月間の母乳だけによる育児を徹底 させるべく、国と地方自治体に責任を分担させた。 だが、保健省の調査データによれば、その国家方針に従っている国民は半分ほどしかいな い。年々の推移は次のようになっている。 生後6カ月間の母乳だけの育児を行っている者 2012年 48.6% 2013年 54.3% 2014年 52.3% 2015年 55.7% 2016年 54.0% コンパス紙R&Dが2017年7月26〜28日に国内14都市で17歳以上の住民49 9人を対象に行った「母乳だけの育児を阻んでいる要因」に関する調査結果は次のような ものになった。 忙しい 49.7% 知らない・指導されたことがない 28.8% 健康上の理由 9.8% その他 11.1% 不明・無回答 0.8%