「激化する校内いじめ(前)」(2017年09月12日)

いじめのインドネシア語はperundunganだが、英語のbullyingが使われることも多い。強
者優位の原則にいまだに覆われているインドネシア文化では、相手の強弱とは関係なく相
手に勝つことが勇者の証明になっている面が存在している。つまり強い者は弱者/敗者に
君臨するという弱肉強食原理に由来する価値観だ。この価値観はいじめ現象を社会的に当
たり前のものにしてしまう可能性を多大に持っている。

2011年から16年までの間に首都圏とバンドンで事件として取り扱われた校内いじめ
の地域別件数は次のようになっている。

地域        被害者数  いじめ者数
中央ジャカルタ市   83    103
北ジャカルタ市    73    108 
西ジャカルタ市    82    113
東ジャカルタ市    76    118
南ジャカルタ市    97    124
プラウスリブ県    15     34
デポッ市       44     62
ブカシ県・市     46     93
ボゴール県・市    36     51
タングラン県・市   39     47
バンドン県・市    54     63
合計        645    916
全国      1,174  1,483


2017年8月5・6日にコンパス紙R&Dが電話帳から抽出した17歳以上のジャボデ
タベッ住民439人に電話インタビューして集めたいじめ問題に関する統計調査によれば、
校内いじめは深刻なレベルに達していると見ているひとが多数を占めた。

質問1.校内いじめは深刻なレベルに達していると思いますか?
回答1.思う 82.5%、 まだそのレベルでない 12.98%、不明無回答 4.
6%

質問2.あなたの身の回りのひとが校内いじめの被害者になったことはありますか?
回答2.ある 37.4%、 ない 61.1%、 知らない 1.6%

質問3.あなたの子供や身近なひとが被害者になった場合、あなたはどうしますか?
回答3.学校側に届け出る 62.2%、 家族的な解決を探す 21.9%、 警察に
届ける 11.4%、 忠告する 0.7%、 不明無回答 3.9%

質問4.学校がいじめ者を退学処分にするという方針にあなたは賛成しますか?
回答4.賛成 68.1%、 不賛成 27.3%、 不明無回答 4.6%

質問5.校内いじめをなくすために学校が行っている努力をあなたはどう評価しますか?
回答5.よくなっている 34.2%、 変わらない 17.1%、 まだまだ不足 3
8.95%、不明無回答 9.8%