「韓国製潜水艦が到着」(2017年09月13日) インドネシア政府が韓国に建造を発注していた三隻の潜水艦のうち1隻が2017年8月 28日、二週間のテスト航海を終えてインドネシアに到着した。東ジャワ州スラバヤ港イ ンドネシア共和国東部艦隊司令部潜水艦隊ヒウクンチャナ(Hiu Kencana)軍団埠頭に到着 した403号ナガパサ(Nagapasa)を迎えて、その日歓迎式典が催された。 ジーゼル発電型で航行するこの艦は長さ61.3メートル、魚雷発射管8基を備え、乗員 40人で、潜航速度21ノット、50日を超える航続日数を持っている。この艦の建造費 に4,7兆ルピアが支出された。 インドネシア海軍が潜水艦隊の増強を図っているのは、域内海域での軍事抑止力を高める ことを目的にしている。インドネシアを取り巻く広大な海域の海中戦における国防力は最 低でも12隻の潜水艦を必要としており、今現在はドイツ製のチャクラ級潜水艦2隻が保 有のすべてであるため、それを12隻まで増やす計画が今進められているということだ。 そのためインドネシア国軍は軍事力拡充のための兵器増強項目の最上位に潜水艦、次いで 戦闘機を置いている。 ナガパサの僚艦として同じ209/1400クラスの潜水艦もう一隻が現在韓国で建造中 であり、404号アルガドゥダリ(Argadedali)と命名される予定のその艦は2017年末 から18年初にかけて、ヒウクンチャナ軍団に加わる予定になっている。 韓国に発注されている潜水艦は三隻あるのだが、最後の一隻はスラバヤにある国営造船所 PT PALで韓国からの技術支援を受けつつインドネシアが技術力を傾けて建造中だ。 これは潜水艦建造の技術移転を主目的とするプロジェクトであり、その面における協力姿 勢の有無が潜水艦三隻の発注先を決めたということのようだ。 そこで建造されているのはチャンボガ級潜水艦で、このプロジェクトによってPT PA Lに潜水艦建造ノウハウがひとつ確立された後は、次いで能力の異なる潜水艦の建造ノウ ハウをも獲得することが求められている。それは何かというと、東部艦隊の活動領域には 深い海がある一方、西部艦隊の担当海域は比較的浅い海が続いており、海軍はそれぞれの 海域に最適な潜水艦を持つ方針を立てていることによる。そのために技術移転をからめた 次の発注先としてロシアが検討のまな板に乗っている。発注条件がどうなるか次第ではあ るものの、残る7隻のうちのマジョリティはインドネシアの国産艦になる可能性が高い。 405号アルゴロ(Alugoro)と命名されることになっている、韓国の技術援助で建造され ている第三艦は2018年末に完成予定となっている。