「密猟者の仕掛ける罠は一度に2百本」(2017年09月14日) 北スマトラ州ランカッにあるレウセル山国立公園内でスマトラ虎の密猟をしていた58歳 の男Mが逮捕された。Mは国立公園外縁部の路上で3歳くらいの雌の虎の死骸を売ろうと していたため、公園監視員がMを捕らえて公園管理総館に連行して取り調べた。 Mの自供によれば、Mがスマトラ虎の密猟を行ったのはそれが三頭目で、国立公園の境界 からおよそ10キロほど公園内に入り、針金の罠を2百本ほど仕掛けて野生の虎がそれに 掛かるのを待つ。仕掛けてからは毎日見回りに行く。たいてい一週間以内に虎が罠に掛か っているから、動けなくなった虎の頭を鈍器で殴って殺し、一頭が100Kgほどもする 虎の体をひとりで10Kmほど運んで国立公園の外へ持ち出していた。 クラッチワイヤーを使う針金の罠は虎の猟場になっているイノシシの巣周辺に2百本ほど 仕掛け、脚は高く売れるために脚でなく腹に巻き付くようにしてセットし、脚を傷めない ようにする。その話に監視員は急いで公園内に出かけ、その罠の回収に努めているとのこ と。 そのように密猟のポイントを細部まで熟知して実行している人間がこれまで三頭しか捕獲 していないという話を信じる者は管理総館内にひとりもいない。 Mは単なる現場の実行者でしかなく、野生虎の密猟を組織的に行っているシンジケートが あるのではないかと管理総館側は見て、Mからその線についての情報を聞き出そうとして いる。 レウセル山国立公園には、野生の虎はあと100頭ほどしか残っていないとのことだ。