「正当防衛殺人」(2017年09月29日) 空巣が家の主に殺される事件が起こった。17年9月11日に東ジャカルタ市チピナンム ラユの共和国空軍住宅地で発生したその事件は、家の主が前夜2キロほど離れた場所にあ る友人宅に泊まったことから始まる。 その家の主デニー・ロノさん55歳は朝7時半ごろ自宅に戻った。家族は別の家に住んで おり、前夜その家は空き家になっていたのだ。かれは家の窓がひとつ閉まっていないのに 気付いた。すぐに友人に来てくれるよう電話した。 デニーさんが家の中に入ると、泥棒がいた。家人が帰って来たことを知った泥棒はその辺 りにあったナイフを手にすると、デニーさんに襲い掛かった。しかしデニーさんはインド ネシアでkarateka(空手家)と呼ばれている空手の達人であり、国際大会でのトレーナー を務めたこともある。格闘には長けているのだ。 デニーさんは賊が振るうナイフを左手で払いながら、反撃する。そして最終的に賊が手に していたナイフを賊の腰に向けさせて突き刺した。後でデニーさんが述べたところでは、 賊のナイフを左手で払いながら無我夢中になり、そのあとどうなったのかは覚えていない そうだ。 賊がおとなしくなったとき、賊は血まみれで床に倒れており、デニーさんは賊が手放した ナイフを自分の手に持っているのに気付いた。とんでもないことをしてしまったという気 持ちで頭がいっぱいになり、かれはナイフを持ったまま家のテラスに出て座り込んでいた。 そのとき、友人が駆け付けてきた。 隣人やRTが集まって来たので警察への通報を頼んでから、友人はデニーさんを病院に連 れて行った。左手に多数の切り傷ができて血だらけになっていたのだ。 東ジャカルタ市警はこの事件を正当防衛による殺人として処理する意向。刑法典第49条 には、「自己・第三者あるいはその財産を不法な攻撃や威嚇から守るために緊急的な自己 防衛手段を行使したことの故に、その者に刑罰を与えることはできない。」という条文が 記されている。