「チカラン工業団地の強盗団を逮捕」(2017年10月05日)

ブカシ県チカランにあるチカラン工業団地内でエンジン排気量150cc以上のオートバ
イばかりを狙って強奪していた強盗団が逮捕された。その一味6人を警察が逮捕しようと
したとき、全員が武器を持って抵抗したため、特に狂暴なふたりが射殺され、他の4人も
足に銃弾を撃ち込まれている。かれらを追い込んで逮捕したのは腕利き捜査員の集められ
たコブラチームで、そのチームがきわめて優秀な警察の特殊部隊であることがまたまた立
証されたと言える。

ブカシ警察は二三カ月前からチカラン工業団地で頻発するようになった駐輪場にあるバイ
クの強奪犯罪が軽視できないものと見て、精鋭部隊であるコブラチームを投入して犯行続
発をストップさせようと考えた。案の定、逮捕されたその一味は何度も刑務所と娑婆を往
復してきた前科者の集まりであり、犯行に際しては複数のピストルで工場警備員を威嚇し、
ターゲットのオートバイを易々と奪って逃走している。警察は逮捕したその一味から手製
拳銃3丁と口径9ミリの実弾17発、そしてT字鍵などオートバイを動かすための道具類
を押収した。


一味はタングラン地区に住んでいたというのに稼ぎ場を西ジャワ州ブカシ県からカラワン
県に至る一帯にしていた。それは、全国一の工業団地数を擁するその地域がかれらの犯行
目的とその手法に最適だったためであるようだ。この一味は工業団地内の工場にオートバ
イで通勤してくる従業員の所有する排気量の大きいものを工場内駐輪場から強奪するとい
う犯行スタイルを取っていた。ブカシ県の最低賃金は全国的にもハイレベルにあり、月額
380万ルピア前後に残業代や諸手当が加算される収入は少々値の張る大型バイクのロー
ン支払いを十分可能にするもので、普通の庶民が購入する小さいものの間で背が高く大き
い排気量のバイクを走らせる威厳は、その爽快さで持ち主を十分に酔わせるものであった
にちがいない。昨今の工場作業員たちの中にそういう高額バイクが増加傾向にあったとい
うことだろう。

工業団地内の工場はたいてい、工場従業員のための昼食や夜食をケータリング業者にオー
ダーして配達させる。つまりケータリング業者の配達員になれば、たくさんの工場の内部
状況が分かるようになるのである。そして工業団地内が、いやターゲットの工場周辺がひ
っそりとし、同時に工場内の一部職場は出勤しているが全体では人数が減っている状況が
起こるのがいつであるかということも。それこそが犯行に最適なタイミングなのである。

ブカシ警察の取調べを受けた4人は普段の仕事について、ケータリング業者に雇用されて
いた、と述べている。かれらはターゲットの工場を選択すると、土曜日の夜から日曜日明
け方にかけてのシフト交代時間や退社時間に現場に行く。その時間は表門が開け放たれて
いるからだ。もちろん警備員がガードしているから、かれらはピストルを向けて警備員ら
を詰所内に押し込め、見張りを立てる。そして仲間が獲物のオートバイに乗って出てくれ
ば一斉にその工場から逃走する、というのが犯行スタイルだった。

この一味は13カ所で30台を超えるオートバイを盗んできた。オートバイは故買屋に2
〜3百万ルピアで売り、その金で衣服などを買っていたそうだ。