「外来語のインドネシア式綴り方」(2017年10月20日) 2017年3月25日付けコンパス紙への投書"Mengindonesiakan Istilah"から 拝啓、編集部殿。ここ数ヵ月、hoaxという言葉が大流行しています。嘘あるいは他人を引 っ掛けるための話を意味するhoaxは「ホウクス」と発音される英語の単語です。であると いうのに、公職高官や著名人のさまざまな発音をわれわれはテレビで耳にしています。 「ホアクス」という発音もあれば、「ホウクス」という発音もあります。 3月11日付けコンパス紙では、hoaxがインドネシア語化されたものをhoaksとしていま した。わたしはhoaxはあくまでhoaxと書かれるべきだと思います。それをインドネシア語 化しようというのであれば、houksと書かれるべきではないでしょうか。fashionはfesyen と書かれ、fasionではありませんし、actionはeksyenと書かれてaksionという綴りは使わ れていません。このコーナーで討論が催されたらよいのですが。 [ 西ジャワ州在住、クリス・カルタウィグナ ] 同日付けコンパス紙に掲載されたコンパス紙編集部からの回答 hoaxあるいはhouksという語について、コンパス紙が使っているhoaksというインドネシア 語はオンライン版インドネシア語大辞典(KBBI versi daring)に採り上げられてい るものです。fesyen(fashion)も同様ですが、eksyen(action)はまだ採り上げられていま せん。actionという英語は普通aksiあるいはlagaというインドネシア語に置き換えられて います。たとえばbintang actionという意味でbintang lagaが使われるように。 fashionやactionという語に対応させる場合、コンパス紙はmodeやaksi/lagaを使い、 fesyenやaksyenは使いません。なぜならfashionの-sh-やactionの-ct-が-sy-に代替され うるかどうかについての判断がまだ確立されていないためです。書き言葉にあまり使われ ていないことがそれを証明しているように思われます。-sy-クラスターは普通、syukur, syair, syaratなどのようにアラブ語に由来する単語によく使われています。 hoaksという単語の作られ方は、taxiがtaksiになるという例から、その原理が明らかです。 それをteksiと発音するのは自由ですが、綴りはtaksiがスタンダードになっています。 とはいえインドネシア語はこれからも発展し続けるでしょうから、コンパス紙や言語育成 機関の使うhoaksを乗り越えて英語のhoaxがそのまま標準化されたり、あるいはhouksと書 かれるようになる可能性がないとは言えません。たとえばmesjidがmasjidに、resikoが risikoに、automatisがotomatisに変化してきたように、そのようなことは言語発展史の 中で普通に起こっていることなのです。 あなたの関心と提案に感謝します。