「kalayangに難色」(2017年10月27日) 2017年10月18日付けコンパス紙への投書"Tentang Kalayang"から 拝啓、編集部殿。kerata api(汽車)というのは熟語であり、kereta(車)にapi(火) の語が添えられたのは、1867年に始めて汽車がスマランで使われたとき、蒸気機関に 石炭や薪が燃やされて火が熾ったことに由来しています。 今や列車は電気やジーゼルあるいは磁気浮上などを動力源にしており、技術的にはkereta listrik(電車)やkereta diesel(ジーゼル車)と呼ぶほうが的確なのです。kereta api という言葉は21世紀というコンテキストにおいて、既に技術面での妥当性を失っている のです。 kereta apiはジャワ語でsepurと翻訳されました。それは植民政庁の言葉spoorwagenが取 り込まれたからですが、spoorという言葉自身はjalurを意味しています。オランダ語 spoorの基本的な意味はジャワ語のsepurとまったく違う意味です。これは言語ミスです。 kereta apiの英語はtrainで、tarikやmenarikを意味するラテン語のtrahereに由来してい ます。だからskytrainを逐語訳するなら、kereta penarik di langitというのが大体の意 味でしょう。もちろん、技術的にその語義通りのものは、航空機エンジンでも使わ ないかぎり不可能です。trainはレールの上を走るだけですから、レールが地面から高い 場所に敷設されたから見た目に空中を飛んでいるような印象を与えるために、イギリス人 はそれをskytrainと呼んだのでしょうか。 教育文化省国語開発育成庁長官はkereta api layangのアクロニムを発展させて、sky- trainに相当する新語としてkalayangという言葉を提唱しました。(10月6日付けコン パス紙)その提唱は十分理解できるものではありますが、現代のkeretaがもはやapiを使 わないものであることを考慮するなら、kereta apiという言葉が今の先端技術時代にふ さわしいかどうかと懸念されるのです。 よりニュートラルなtrainという語をインドネシア語化するとすれば、どんな語形になる でしょうか?trenとすると、trendに由来するtrenが既にインドネシア語の中で頻繁に使 われているため、区別が難しいでしょう。でも、tren layangという新語の方が、テクノ ロジー面での妥当性と外来語としての認識面で、もっと受け入れられやすいのではない でしょうか?[ 西ジャカルタ在住、ウィム・K・リヨノ ]