「再びATM破り」(2017年10月30日)

また下請け会社社員のATM破りが起こった。今回はATM機の修理を請け負っている会
社の従業員が犯人で、故障したATM機の修理に赴いたときにATM機に収納されている
現金を盗んでいた。

ATM機修理会社PT アドヴァンテージスマラン社は一年半前からスマランのいくつか
の銀行とサービス契約を結んでATM機の修理を請け負っていた。ところが被害を受けた
銀行から「修理のあと現金が減っている」という苦情が来るようになり、社内で調査した
結果、従業員のA28歳とB20歳を疑い始め、ほぼ確信を得たので2017年10月1
7日にグレータースマラン市警に届を出した。

警察の捜査が始まったことを知った従業員のAとBは即座に逃亡したから、警察はふたり
の行方を追跡した。ふたりが逃亡したのは犯行を自供したようなものだ。スマラン警察は
そのふたりがパレンバンに住むBの親族の家に隠れているのを突き止め、パレンバン市警
の協力を得て10月20日に逮捕した。

パレンバンにはもうひとり民間会社員女性E33歳がいて、警察はその三人を同時に逮捕
している。Eはスマラン県トゥガランの住民で、犯人ふたりが得た金を管理し、一緒にな
って使っていた。


AとBは作業を分担して犯行を行っていた。Bが現場へ出向いてATM機を修理しつつ金
を盗む仕事を行い、Aは修理されているATM機を会社でモニターする役割に就いていた。
BがATM機を一切壊すことなしに現金を抜き取れたのは、ATM機を全開するためのコ
ードをAが入手してBにSMSで送っていたからだ。修理技術者が必要に応じて業務遂行
のために使う情報なのだから、AとBが組むことは不可欠となる。

ふたりは過去3カ月間に10カ所のATM機を修理しつつ現金を抜き取り、被害総額は1
4億ルピアに上っていた。Bは修理道具を入れた大きな袋を持ち込んで、警備員の目を盗
んで現金を持ち出すこともあったが、警備員のいない道路脇やガソリンスタンドあるいは
ミニマーケットに置かれたATM機を修理に行くほうが多かったようだ。

スマラン警察は三人から現金4億3千万ルピア、自動車2台、オートバイ2台、携帯電話
機4台などを押収した。盗んだ金の多くはオンライン賭博に使われていたそうだ。