「2018年最低賃金(前)」(2017年11月06日)

アニス・バスウェダン都知事は2017年11月1日に2018年首都ジャカルタの最低
賃金を3,648,035ルピアと定めたことを公表した。

その根拠として、2017年9月までの一年間のインフレ率が3.2%であり、ジャカル
タのGDP成長率が4.99%であることを踏まえて、2017年最低賃金の3,355,
000ルピアから8.71%アップさせた数字が来年の最低賃金になる、と説明した。

政府労働省は2018年最低賃金のガイドラインとして、引き上げ幅を8.71%とする
よう、全国の州県市首長宛ての大臣回状で指示している。


ジャカルタ賃金評議会事業者側代表者は、ジャカルタの実業界が持っている賃金支払い能
力に合致したものであり、都知事の決定は十分満足できるものだとコメントしているが、
一方労組側代表者は、労働界が提案した3,917,398ルピアを大幅に下回るその決
定は勤労者に大きい失望をもたらすものであり、行政法廷に告訴する意向である、と述べ
ている。

2017年最低賃金で西ジャワ州カラワン県が既に360万ルピアに達しているというの
に、カラワンより生活コストが段違いに高いジャカルタがやっと360万ルピア台になる
ことはとても受け入れられるものでなく、加えて都知事選挙キャンペーンのときに新正副
都知事は労働界と政治契約を結び、2018年最低賃金は2015年政令第78号の算出
計算式よりも高いものにすると約束して署名を交わしている、というのが労組側代表者の
都知事決定に対する苦情内容だ。

都知事は賃金と生活コストのバランスを取ることで賃金上昇にドライブをかけない方向性
を政策に採り入れる方針を立てている。食糧価格に補助金を付けるために2018年度予
算に5千6百億ルピアを計上し、また2018年1月1日から最低賃金受給者に対してト
ランスジャカルタバスのフリーパスを与え、また都内公営パサルでの価格割引を目的とす
るJakgrosirカードをも配布する予定。


11月1日に知事が既に決定した最低賃金は、次のような州だ。
北スマトラ州 213.2万ルピア
バンテン州 209万ルピア
西ジャワ州 154.4万ルピア
中部ジャワ州 148.6万ルピア
東ジャワ州 150.8万ルピア
西ヌサトゥンガラ州 182.5万ルピア
北スラウェシ州 282.4万ルピア
[ 続く ]