「ポソの旅(後)」(2017年11月15日) 古代遺物がいまも息づいているこの地には、オランダ・ドイツ・フランス・イタリア・ス ペインなどから観光客がやってくる。美しい風光と共に、かれらの学術的な興味を引かず にはおかない場所なのだ。 この山の中を、スラウェシ島を縦断する道が通っている。北スラウェシのマナドと南スラ ウェシのタナトラジャを結ぶ道路で、マナド〜アンパナ(Ampana)〜テンテナ〜トラジャと いうルートだ。このバダ盆地を訪れた観光客は、そこで一泊してから、翌朝トラジャに向 かって下ることもできる。 13時〜13時半: レンケカ温泉とコロリ滝 巨石遺物とフヤだけが見ものということでもない。バダ盆地の西ロレ郡レンケカ(Lengke- ka)村には温泉が湧いている。カカオ農園の一隅に湧き出している湯は、自然の大地の真 ん中にそのまま置かれており、硫黄臭も漂ってくる。ここまでやってきた観光客の中には、 高原のオープンエアーの中で一風呂浴びようとするひともいる。それはまったくの自由だ し、そしてまったくの無料だ。このセンセーションは風呂好きのひとにはたまらないだろ う。もちろん、水着着用は最低限のエチケットである。 西ロレ郡コロリ(Kolori)村へ行けば、滝がある。小規模の愛らしい滝であり、大きさや水 流の激しさに感嘆するようなものではないが、自然のままの風情が感じられる。他の観光 客もほとんどおらず、あたかもその天地を独り占めしたかのような感興に浸ることができ るのも、ひとつの極楽であるにちがいない。 13時半〜16時: サルオパ滝 それまでの旅は、標準的観光スポットでない場所を、未知の世界を見て回る旅だった。北 パモナ郡トヌス(Tonusu)村にあるサルオパ(Saluopa)滝は地元民が行楽に訪れる観光スポ ットになっている。つまりさまざまな娯楽施設が用意され、飲食する場所にも事欠かない。 子供遊園地・水泳プール・宿泊施設なども完備されている。 ここは元々カカオ農園が営まれていた土地で、農園の奥に滝があり、そこが観光開発の波 に洗われたということだ。滝へのアクセスは平坦な道を3百メートルほど歩く。滝が見え ないうちから轟轟たる水音が耳に入って来て、滝の豪壮さを想像させてくれる。 想像した通りの、流水をほとばしらせる力強い滝がそこにあった。大岩が階段状になって 白いしぶきに彩られている。この滝も人間の手がまったく入っていない、大自然が作り上 げたそのままの姿になっている。 16時〜17時: シウリ海岸 ポソの地元民が行楽に訪れるビーチがある。ポソ観光と言うと湖や山が紹介されるのが普 通で、このビーチについてはあまり知られていないが、週末には地元民が集まってくる場 所だ。 このビーチの砂は黄金色かかった黄色い大粒のもので、それがひとつの特徴をなしている。 ロンボッ島の白砂の浜、そしてコモド島のピンクの浜を既に訪れたひとは、シウリ(Siuri) ビーチの黄金の浜を次のターゲットにいかがだろうか?[ 完 ]