「結婚は家庭建設の出発点」(2017年11月22日)

結婚してから家庭を築いていくというのが、依然として若者たちの理想になっている。と
ころがその家庭を築くということについて、家庭運営に関する十分な計画や適切な能力が
伴われていないのが一般的だ。

「今や1980年代後に生まれたミレニアル世代がその年代に達している。かれらの顕著
な特徴のひとつに、自由でオープンという性質がある。性的ビヘイビアについてもそれが
言える。かれらは自立的であり、また情報が豊かだ。
その一方で、インドネシアの若者たちは宗教コンサバティビズムの強まりにも直面してい
る。若者たちを放埓な性的ビヘイビアから保護するために、その状況が未成年結婚を含む
結婚というものを通して家庭を築くことを対策のひとつに据えている面が見られる。
その選択肢を採るのであるなら、妊娠〜出産〜育児ということがらがもっと十分な準備を
必要としていることを覚らなければならない。子供の数、妊娠の時期、子供の年齢の開き
といったことがらが十分な計画のもとになされないなら、家庭の繁栄や永続に大きな影響
がもたらされることになる。」
国家住民家族計画庁長官は17年10月14日にジャカルタで開かれた討論会のあと、そ
う語った。


プリタハラパン大学医学部教官で結婚前の準備を国民に啓蒙指導しているNGO指導メン
バーのひとりは、インドネシアの若者たちの頭の中に、家庭の建設計画はほとんど見当た
らない、と言う。「結婚というのは誓いと祝福のセレモニー、披露宴、伝統儀式といった
イメージしかなく、家庭を築くことの出発点だという認識はたいへん弱い。」

若者たちの家庭建設計画への意識が薄いのは、多くの要因が関わっている。婚前の結婚準
備を指導する社会機関が数少ないこと、国民教育が子供たちに遠い将来まで考えるという
習慣を植え付けていないこと、子育てのパターンが適正でないこと、若者たちの人間開発
がマージナルになっていること、などだ。

多くの親は子供にさせるべきことまで自分が手を下そうとする。たとえば具合の悪い子供
を医者に連れて行ったとき、その子が医者の質問に十分答えることのできる年齢になって
いても、子供の容態を親が医者に説明している。結婚した後でもそんな習慣が子供の精神
性を過保護に向かわせ、子供の一家が自分たちで決めることがらまで親が口出しする現象
が普通に見られている。


国家住民家族計画庁長官は、「十分な計画のない結婚は離婚に終わる可能性が高い。離婚
は家庭の機能不全を表している。その影響は子供に、社会に、そして国民生活の建設にも
たらされることになる。」と強調している。長官は続けて言う。
「健全に営まれている家庭は強い家庭であり、インドネシア国民のクオリティを向上させ、
人間開発レベルを高める結果につながる。だから計画的な家庭構築問題をすべての若者た
ちが理解できるような平易な言葉で説明する必要があるし、これまでマージナルな位置に
置かれてきた青年層への開発に関するパラダイムも変えて行かなければならない。」

その一方でNGO指導メンバーのひとりは政府に対し、結婚指導機関の全国展開を真剣に
考慮しなければならない、と要請する。結婚には準備が不可欠なのであり、学校のように
それを国民に教えて行かなければならないのだ、と。

結婚前には、精神面・健康面・経済面・法曹面などのさまざまな要素を整えておかなけれ
ばならない。結婚前に国民がそういった内容を弁えておくことは国民の家庭生活を保護す
ることにつながり、年間に結婚件数の10%が離婚している現在の状況を改善させ、親に
見捨てられる子供を減らし、家庭内暴力を軽減させる効果がある、とNGOメンバーは語
っている。