「寂しい博物館」(2017年11月28日)

2016年現在で、全国にミュージアム(インドネシアでは博物館も美術館もmuseumと呼
ばれている。日本語の「博物館」という言葉で代表させておく。)は434軒ある。地域
別に見ると、ジャカルタ首都特別区が64軒で最大、次いで中部ジャワ州54、東ジャワ
州44、ヨグヤカルタ特別州44、西ジャワ州37バンテン州5といった順位。ジャワ島
以外の外島部はスマトラ島で76軒、バリ島・東西ヌサトゥンガラ諸島・パプア島・マル
ク諸島が60軒、スラウェシ島33軒、カリマンタン島17軒などとなっている。

その中で軒数がもっとも多く、また住民人口も大きいのがジャカルタだが、ジャカルタの
64軒中で入場者数の多い有力博物館は10軒ほどしかない。
入場者数で見ると、その10軒は次のようなところだ。

1)モナス博物館
外国人入場者数 2014年:20,264人、2015年:19,795人
イ_ア人入場者数 2014年:1,135,944人、2015年:1,519,40
0人
2015年の一日当たり平均入場者数は4,216人だが。モナスあるいは独立記念塔の
入場者は一般的に展望台という別の目的を訪問の動機にしているひとが多いため、そのよ
うなアトラクションを持たない他の博物館と同じ土俵で比較するのは難しい。

2)ジャカルタ歴史博物館
外国人入場者数 2014年:6,389人、2015年:8,303人
イ_ア人入場者数 2014年:190,044人、2015年:526,841人
ジャカルタ歴史博物館の2015年一日当たり入場者数は1,487人。

3)ワヤン博物館
外国人入場者数 2014年:45,935人、2015年:40,017人
イ_ア人入場者数 2014年:318,560人、2015年:439,818人
一日の平均入場者数は1,315人。

4)国立博物館
外国人入場者数 2014年; − 、2015年 31,589人
イ_ア人入場者数 2014年:245,848人、2015年:234,500人
2015年の一日当たり平均値は729人。

5)造形陶器博物館
外国人入場者数 2014年:6,389人、2015年:4,091人
イ_ア人入場者数 2014年:98,448人、2015年:166,739人
平均は468人。

6)テキスタイル博物館
外国人入場者数 2014年:1,072人、2015年:1,746人
イ_ア人入場者数 2014年:50,612人、2015年:58,340人
平均は165人。

7)軍事博物館
外国人入場者数 データなし
イ_ア人入場者数 2014年:38,756人、2015年:49,964人
平均は137人。

8)オンルスト島考古園
外国人入場者数 2014年:371人、2015年:1,601人
イ_ア人入場者数 2014年:37,106人、2015年:31,784人
平均は91人。

9)海洋博物館
外国人入場者数 2014年:5,488人、2015年:6,162人
イ_ア人入場者数 2014年:18,610人、2015年:22,799人
平均は79人。

10)45年闘争博物館
外国人入場者数 2014年:80人、2015年:ー
イ_ア人入場者数 2014年:19,398人、2015年:18,909人
平均は52人。

都内の諸行楽地を訪れるひとの数が年間3,270万人あり、そのうちの2,800万前
後が都民の三大行楽地であるアンチョルドリームパーク、タマンミニインドネシアインダ、
ラグナン動物園で占められている。

3,270万にせよ、2,800万にせよ、それを365日で割り算すれば、1日当たり
の平均訪問者数がわかる。モナス博物館の例からも分かるように、いかに娯楽要素が入場
者数の多寡を決めているか、ということが見えてこないだろうか?