「バリ島観光業界に2千億ルピアの損失」(2017年12月06日) バリ島アグン山が噴出する火山灰のためにグラライ国際空港が17年11月21日から三 日間閉鎖されたことで、バリ島観光業界は2,090億ルピアの損失を蒙ったとインドネ シア銀行バリ州支店長が語った。支店長はその計算の根拠を次のように説明した。 海外からの観光客が4万4千人、バリ訪問をキャンセルし、44ホテルが11,031室 の稼働不成功を余儀なくされた。統計上で外国人観光客は平均3日滞在し、一日130万 ルピアを出費する。同じく、バリへ来なくなった国内観光客も4万4千人いて、平均2日 滞在して一日52万ルピアの出費があるはずのところ、すべて機会損失となってしまった。 コンパス紙が12月4日のグラライ空港の状況を観察したところでは、11月29日以降、 空港内は平常通りの稼働をしており、フライトのキャンセルによって空港内に乗客があふ れていた姿は影もとどめていない。しかしオーストラリア・中国・カナダ・シンガポール の各大使館員が自国民への情報提供と手続き支援のために、空港内に窓口を設けている。 カナダ大使館領事部職員は、出国の機会を逃していまだにバリ島内にいるであろう国民に 必要な情報を提供しなければならない、と語る。「かれらが必要としている情報の完璧な 提供が行われていない。たとえば出発できなくなった観光客に与えられているホテル料金 の割引情報や、またビザの延長手続きをどうするのかといったことがらだ。空路以外でバ リ島から出る方法を質問されたら、ギリマヌッ(Gilimanuk)経由でジャワ島へ渡るように 勧めている。」 国内線も国際線も、出発ロビーにその種の情報を記載したポスターやバナーがまったく見 られないし、フライトをキャンセルした航空会社のコールセンター電話番号も、どこにも 貼り出されていない。ただいくつかの大使館がチュックインエリアの入り口の壁にコンタ クト先電話番号を貼り出していた。 12月1日になって、アグン山は小休止を始めた。山頂の火口は6千万立米の容量を持っ ており、そこにマグマが2千万立米ほど溜まったあとでのことだ。噴煙や火山性物質の噴 出もほとんど絶えたような状態になっていたが、12月4日16時半ごろ、また連続的な 振動が始まった。その振動はマグマが地表に向かって移動しているために起こるもので、 火山地質災害対策センターはアグン山の状態の変化に注目している。