「変貌する小売業界(後)」(2017年12月15日) その中には、ザラが4千平米、ストラディヴァリウスが6百平米というように、フロアを 大拡張するものも含まれている。 スナヤンシティは過去十年間、賃貸スペース稼働率が百パーセントを続けており、訪問客 数も平均320万人/月という盛況で、それらが表裏一体となって好循環をなしているこ とがわかる。 スナヤンシティCEOも、リテーラーの中にクローズするものが出るのは、オンラインシ ョッピングが成長著しいためとばかりも言えない、と語る。 「生産性が不足していれば、永続性は期待できない。伝統的商法に傾く百貨店のコンセプ トも消費者の関心にフィットしなくなってきている。 しかしインドネシアは都市住民の増加とミドルクラスの拡充によって、今後も大きな市場 の発展を約束している。消費者のトレンドを明確に捉えてそれに即した戦略を実践するか ぎり、ショッピングセンターは着実な集客力の向上を期待することができる。」 PTモデルンインテルナショナルは17年6月にセブンイレブンの操業をストップした。 PTラマヤナレスタリセントサも今年、ビジネスフォーマットの変更を理由に8店舗をク ローズした。マタハリデパートメントストアも、ブロッケムとマンガライの両パサラヤか ら撤退した。販売目標達成が困難だと判断されたためだ。 インドネシア小売業者協会(Aprindo)副会長は、在来小売ビジネスが受けている影響はe コマースだけが及ぼしているわけではない、と語る。ショッピングセンターやモールのテ ナント料、賃金値上がり、消費者の購買力など影響を与えるファクターには事欠かない。 加えて市場トレンドを敏感に嗅ぎ取り、消費者の欲するスタイルを提供する創造性と応用 力も欠かすことのできないものであるにちがいない。[ 完 ]