「没文化人と悲劇の彫像(1)」(2017年12月20日)

ライター: 文化と芸術著作者、大統領宮殿芸術作品コレクションコンサルタント、アグ
ス・デルマワン・T
ソース: 2017年7月29日付けコンパス紙 "Vandalism dan Nasib Buntung Si 
Patung"

ある地域に建てられている記念碑の彫像を取り壊して消滅させるのは構わないことなのだ
ろうか?もちろん構わない。しかし記念碑像が建てられるとき、住民・地域管理者・制作
アーティストの主要三要素が関わったのだから、その撤去に際しても同じ三要素を関わら
せなければならない。住民が撤去を提案するかもしれない。しかし地域管理者(地域首長
・関連機関など)と制作アーティストにはその理由を知らせなければならない。地域管理
者が撤去を言い出すかもしれないが、住民とアーティストの同意を得なければならない。
あるいはアーティスト自身が自分の作品を撤去したいと求めるかもしれない。住民と地域
管理者がそれを承認すれば、の話だ。

数十年前からジャカルタ都庁は正しい手本を何回も示している。スナヤン地区に作られた
リタ・ウィダグド制作のモニュメントがインフラ建設のために取り壊された。住民は賛成
し、制作者はその提案を呑んだ。今年、LRT建設に関連して、クラパガディン地区のリ
タ・ウィダグドの作品がまた撤去された。モニュメントを移転させる場所を探すという条
件付きであり、住民と制作者はその提案に難色を示さなかった。

そのような関係三者の合意なしに記念碑像が取り壊されたら、どうなる?社会はそのよう
な行為をヴァンダリズムと呼ぶだろう。危険なことに、インドネシアでは頻繁に、三者合
意たるべき記念碑撤去が一者あるいは二者によって一方的に行われているのだ。


最新の例は2017年7月はじめに中部ジャワ州パガンダラン(Pangandaran)県で行われ
た記念碑取り壊し、と言うよりも破壊行為だった。その像は、バリのガルーダウィスヌク
ンチャナ像、スラバヤのジャレスヴェヴァジャヤマヘ像、ジャカルタのモナス南交差点の
クダアルジュナウィジャヤ像などを作った著名なアーティスト、ニョマン・ヌアルタ氏の
作品だった。

その抽象的な古代魚の像撤去に関する責任者であるパガンダラン県令のジェジェ・ウィラ
ディナタ氏はその責任表明発言の中で、その像が著名なアーティストの作品であることを
示す資料を自分は持っていなかった、と述べた。著名なアーティストの作品でなかったな
ら、制作者の承認や通知すらなしに、好き勝手に打ち壊して構わないと言っているような
言葉だ。[ 続く ]