「ヨード不足がアモックを生む」(2017年12月21日) 2017年8月18日付けコンパス紙への投書"Amok dan Garam Beryodium"から 拝啓、編集部殿。英語=英語辞典にamokあるいはngamukという単語が掲載されているのは、 インドネシア人/ムラユ人にとって多分栄誉なのでしょう。しかしそれはインドネシア人 が遠い昔から頻繁にアモックしていたことを示す歴史的証明でもあるのです。 最近頻発しているアモック現象は、火山だらけで降雨量の大きいヌサンタラの土地の状態 がヨードを含まない地質水質に変わってしまったことに関連付けることができます。地元 に産する食材だけに頼っていては、誰でもいつでもヨード不足になるでしょう。それで政 府は1994年政令第69号で、人間や家畜が摂取するすべての食塩や食品産業の補助材 に使われる食塩がヨードを強化したものにされるよう命じているのです。 ヨード強化食塩を摂取しないでヨード不足になると、発育阻害や精神遅滞といったものだ けでない幅広いレンジのヨード欠乏症による障害をひとは蒙ることになります。人材クオ リティにとって危険な障害はヨード欠乏症患者の7割に起こる微細脳障害であり、IQ分 布が左側に0.9SD振れて13.5ポイント低下するというメタ分析にそれが現れてい ます。実はこれが常に落ちこぼれるインドネシア人の人材クオリティ問題の基盤をなして いるのです。労働力は小学校卒がマジョリティを占め、大人の能力テスト結果は世界の最 後尾におり、サッカー大会では勝ったことがない、等々・・・。 頻繁なアモック事件はコンピュータのハングアップに擬せることができます。ヨード不足 のために胎児期に作られる、脳細胞をつなぐシナプス細胞が不完全になっているのです。 その結果連結が低レベルになり、脳の理性が働く代わりに微細脳障害がもたらす心理に働 きかけてアモックに向かう現象を引き起こすのです。 上述のような劣等級の人材クオリティを向上させるためにヨード強化食塩の供給や摂取を 軽んじてはなりません。そんなことをして起こるリスクを、妊婦をはじめとして一体だれ が背負う気になるでしょうか? [ クリニックトライアル、公共保健・強化食品・栄養学実践家、スナワン ]