「モナスのジオラマには嘘がある」(2017年12月26日)

2017年8月16日付けコンパス紙への投書"Diorama Proklamasi di Monas"から
拝啓、編集部殿。独立宣言文書を読み上げるシーンを描写したモナスのジオラマに関する
6月28日付けコンパス紙の記事を読み、写真を見て、わたしは驚いてしまいました。

「独立宣言:ある再構成」という著作を発表した歴史愛好者であるわたしは、独立宣言の
場面を表したモナスのジオラマが不整合を含み、歴史の事実に合致していないことをそこ
ではじめて知りました。

1.独立宣言文読み上げの背景をなしている壁の絵画は、ヘン・ガントゥン作の「射手」
でなく風景画になっています。これは不注意あるいは無知のなせるわざなのか、それとも
ジオラマが作られたときのレジームがその画家を嫌ったためなのでしょうか?

2.独立宣言文読み上げ場所になったテラスが広すぎるために空きスペースだらけであり、
著名人たちが後ろでぎゅうぎゅう詰めに立っている記録写真と異なっています。

3.現場に立ち会った著名人たちの姿が、実際とは違っています。バリサンプロポル隊長
で独立宣言文読み上げ式典実行委員長を務めた、ペチをかぶっているドクトルマワルディ
の姿が、ラティフ・ヘンドラニンラの後ろに見当たりません。ブン・ハッタの後ろにも、
サヌシ中団長とラティフ中団長のふたりのペタ士官の姿がありません。

4.テラスを広くしすぎたために、テラスの前に集まったおよそ3百人(ファッマワティ
さんの見積もり)あるいは1千人(ラティフ中団長の見積もり)の群衆が表現されていま
せん。その結果、このジオラマで示されている独立宣言文読み上げのできごとは、ドライ
で、活気のない、エリートっぽくて、革命の息吹の感じられないものになっています。

インドネシア共和国独立72周年記念に際してわたしは政府に対し、モナスを訪れてジオ
ラマを見た若いひとたちが不正確な歴史の記録を語り継ぐことにならないようにするため、
史的事実を正確に反映するものに改善されることを希望します。改善や修正はなされなけ
ればならないのです。自らの歴史ですら、短い記憶しか持っていない民族だという烙印を
捺されないためにも。
[ スラバヤ在住、オサ・クルニアワン・イルハム ]