「1万9千ルピアでジャカルタ〜バンドンの旅」(2017年12月29日)

クリスマス〜新年のロングホリデーで帰省をしないジャカルタ居残り組みのひとびとは、
家族連れでどっと行楽に繰り出す。近場で良い一家はアンチョルドリームパーク・タマン
ミニ・ラグナン動物園の三傑を目指すが、もうちょっと遠くへという人たちはボゴールへ、
プンチャッへ、バンドンへと足を伸ばす。

ボゴールにはボゴール植物園、プンチャッへの途中にはサファリパークという、日帰り可
能な行楽施設がある。しかしバンドンまで足を伸ばすなら、少なくとも一泊しなければ欲
求不満に陥るに違いない。


2017年12月26日のボゴール植物園入場者数は11,612人だった。その前日の
25日には16,182人がやってきた。一日当たり入場者数が1千人台で、多くてもせ
いぜい2千人前後という平常期の状態に比べたら、ほとんど十倍だ。さぞかしパサルのよ
うな状況が終日続いたにちがいない。

ボゴール植物園へわたしは、森林浴で心身をリフレッシュするためによく行っていたが、
パサルのようになれば人体から発散される体気を浴びることになる。その種のエネルギー
を吸収して元気になる人にはよいだろうが、わたしにはちょっと・・・

交通渋滞や駐車場の心配なしにボゴール植物園へジャカルタから行く方法は、コミュータ
電車のボゴール線に乗ればよい。交通費はひとり1万ルピアかからない。

終点のボゴール駅で降りて、大通りのカプテンムスリハッ通り(Jl. Kapten Muslihat)に
向かい、大通りにぶつかったらそこを左に曲がって直進すると植物園の外周の西半分を巡
っているジュアンダ通りに達する。ジュアンダ通りを南に向かって4百メートルほど歩け
ば植物園のゲートがある。駅からは1キロ弱の距離だ。


サファリパークは最近中国から託されたパンダのつがいを見に、大勢の人がやって来るよ
うになった。コモドドラゴンもサファリパークにいるが、コモドはラグナン動物園にもい
るから、コモドドラゴンを見たいひとにはチャンスがたくさんある。

サファリパークは平常期で入場者数が2万人だそうだ。今のこのホリデーシーズンは平常
期よりも2〜3割増えているとのこと。

さてバンドンは、ジャカルタから自動車専用道を使って自動車で行くか、鉄道で行くか、
あるいは乗合バスもしくはトラベルを使うかだが、いずれにせよホリデーシーズンだから、
切符も売り切れ、道路も大渋滞というのが関の山。ところがなんと鉄道を使って、切符の
予約なし、料金はたったの片道ひとり1万9千ルピアで行く方法があることが、若者たち
の間で評判になっている。コンパス紙記者が去る12月24日に半信半疑でそれをチョバ
してみた。


記者は午前8時に西ジャカルタ市のパルメラ(Palmerah)駅から電車でタナアバン(Tanah 
Abang)駅まで行き、ボゴール線の電車に乗り換えてマンガライ(Manggarai)駅で降りた。
そこでブカシ行きの電車に乗り換える。9時37分に電車が滑り込んできた。ブカシから
チカラン(Cikarang)行きにまた乗り換えだ。

電車に乗るのはそこまで。チカランからはプルワカルタ(Purwakarta)へジーゼルエコノミ
ー列車ワラハルエクスプレス(Walahar Ekspres)で向かうため、記者は切符を買わなけれ
ばならない。料金は6千ルピア。時刻表は12時8分発となっているが、ジャムカレッ
(jam karet)だ。

プルワカルタでバンドン行きエコノミー列車に乗り換える。14時半に発車したジーゼル
列車は日暮れにバンドンに到着した。切符代金に用意した2万ルピアはなくなったが、1
千ルピアに姿を変えて、まだポケットに残っていた。

ほぼ10時間を費やす疲労の旅だったようだが、自動車道を通ったら目にすることのでき
ないさまざまな珍しい光景を車窓から見て、記者は大いに楽しんだようだ。特にジャティ
ルフルダム(Waduk Jatiluhur)や、廃車になった鉄道車両が大量に積み上げられている汽
車の墓場がお薦めであるとのこと。