「インドネシアの航空安全は高レベル」(2018年01月18日) ICAO(国際民間航空機関)の航空安全運営監査を81.15%の高評点でクリヤーし たインドネシア政府は、その成果を元にアメリカ連邦航空局に対して認知を求め、カテゴ リー1に区分される評価を得た。 一方、欧州委員会が2007年にインドネシアの航空安全体制を問題視して、インドネシ アの全航空会社に欧州域内乗り入れを禁止し、またEU国民に対してフライトを利用しな いように勧告した経緯は周知の事実だ。 その後2009年になって、欧州委員会はプレミエアー、ガルーダ航空、エアファストイ ンドネシア、エアエイシアインドネシアに禁令解除措置を与え、更に2016年6月16 日にはバティックエアー、シティリンクインドネシア、ライオンエアーの三社にも同じ措 置が与えられた。しかしインドネシアにはまだ52の定期不定期航空会社があり、それら は依然として欧州の空を飛ぶことが許されていない。 もちろん欧州まで国際フライトを飛ばすインドネシアの航空会社が他にあるわけでもない のだが、政府運輸省にしてみれば、欧州委員会がらみの現状は国家レベルでたいへん不名 誉な状況にあるとの感触を抱かざるを得ない。なぜなら欧州委員会は個別の航空会社に対 する安全性監査を行って禁令を与えているわけでなく、国を対象にして網をかけ、その中 で優良な航空会社を例外扱いするということを行っているのだから。 空運総局長はそれに関して、「欧州委員会がまず国を対象にして航空安全運営の評価を行 う方式を執っているため、現状は国家として低レベルにあるという認識がなされていると 考えざるをえない。その状況を覆えして国としての航空安全運営がはるかに改善されてい ることを認知してもらう必要がある。そのため、2018年3月12〜21日の間、欧州 委員会に実態監査を行ってもらうことになった。」と語った。 その監査期間中に、パプアでの実態監査と、スリウィジャヤ航空・ライオンエアー・バテ ィックエアー・ウイングスエアー・インドネシアエアエイシアX・スピリットアビエーシ ョンセントサの6民間航空会社も個別に監査を受けることになる。 政府がその監査で悪い評点を取りたくないのは当たり前だが、パプアでの?実態が大きな弱 点になることは予想されている。3月の監査まで政府はパプアで稼働している定期航空会 社5社、不定期航空会社20社、社会ミッション専用航空機関6団体に対して、指導を強 めるかまえでいる。