「アグン山は鎮静化に向かうか?」(2018年01月22日)

バリ島アグン山が2018年1月1日、11日、15日、17日に次いで、18日19時
44分に5度目の噴火を起こし、火山地質災害対策センターはその日のコメントで、「火
口まで4.5キロの距離に?接近していたマグマは減少し続けており、11日の観測では1
00万立米と見られていたものが30万立米を切るレベルまでダウンしていると見込まれ
るため、当方はカメラを搭載したドローンを飛ばして火口の観測を行う計画を立てている。
」と表明した。

火口まで上がってきていたマグマが引き返して行けば、爆発を起こすエネルギーも、心配
されていた火砕流の流出も、リスクが低下していくことになるはずだが、火山地質災害対
策センター東部地区火山災害対策部長はそれに関して、「数回の噴火でマグマの量が低下
しているとはいえ、噴火の可能性が低下したとも、あるいは火山活動が収まりつつある、
ともまだ言えない。」と述べた。

ところが翌日の19日19時20分にまた噴火が起こり、灼熱の火山性物質がおよそ1千
から1千5百メートルの高さまで吹き上げられたのが観測されたことから、マグマは暫定
的に勢いを弱めただけであって、再び地表に向かってエネルギーを強めている可能性があ
ることを火山地質災害対策センターは指摘している。

アグン山は連日薄い噴煙を噴き出していて、噴火が起こると降灰が発生する。灰の上昇は
4千メートル未満だが、風向き次第で特定地域が降灰の影響を受けている。

排出される二酸化炭素のドローンによる観測では、17年12月18〜19日に20pp
mvの数値が得られた。今後の観測でその値が上昇するなら、マグマの供給がまだ続いて
いると結論付けることができるが、反対にもし低下する一方であるなら、マグマは火口か
ら離れて行っていることが推測できる。

アグン山の鎮静化を46,563人の避難民と多数の観光産業関係者が待ち望んでいるの
だが、朗報がかれらを訪れるのはいつの日だろうか?